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藍沢side

橘先生の代わりにヘリに乗って現場に向かう。

隊員「こちらお願いします」

母「先生、早く。助けてください」

子供の母親と思われる女の人が俺らを見てそう叫ぶ。

子供の首には鉄串が刺さっている。

藍「藍沢です、変わります。お父さん少し待ってください。息子さんの治療を優先します」

父「お願いします」

藍「さて、どうする名取」

名「セオリーなら抜かずに翔北に搬送して画像診断する」

そうだ。どこのやっているかわからないからな。

母「何しているんですか、早く抜いてやってください。ねぇどうしてこのままなの。早く抜かないと7」

取り乱す母親を無視する雪村。

藍「落ち着いてください。この鉄串をここで抜くのはかえって危険です。首の中で血管や神経を傷つけていないか病院で検査したのち慎重に抜きます。いいですね」

母「お願いします。助けてください」

_______

田所side

冴「北原健太郎君、8歳。脈拍120、血圧・・・」

はるかが淡々と患者情報を言っているのを優輔の治療に当たりながら聞く。

医者は、突然窮地に立たされる。

あらゆる事態にそなえても準備していたとしても・・・。

現実は予測を上回る。

そして、医者はたいてい負けず嫌いだ。

予測を上回る現実にさえ、勝ちたいと思う。

だから手を動かし、考え続ける。

きっと、何か方法はある。

そう思って考え続けるんだ。

A「出血はそれほどひどくないですね。・・ファイバーだけで止血できそうです」

私がそういうと、ほっと安心する緋山、橘先生、井上先生。

藤「こっちも何とかしなきゃ」

名「血管造影ですね」

藍「どうだ」

名「ありました。リークが見えます。やっぱり頸動脈を傷つけてますね」

藍「それで?」

名「内シャントチューブを入れて、左頸動脈を遮断。鉄串を抜いて血管を縫合します」

A「教科書通りなら、そうだけど。仮性動脈瘤があるよ」

優輔の止血をしながらそう名取君たちに教えると、何故かみんなこっちを見てきた。

え、何。別にこれくらい耕作たちだって気づいてたでしょ。

緋「あんた、この位置からよく見えたわね」

あぁ、そっちね。

A「山育ちだから、目だけはいいの」


緋「そうなんだ」


藍「内シャントチューブでいけるか、首を開けてみないと分からないな。脳血管も調べておこう」



優輔の止血も終わり、健太郎君の方へ加勢しに行く。


ちゃんと見てなかったけど、結構ぐっさりささってるな。

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作者名:隆佳 | 作成日時:2017年9月23日 22時

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