▽▽▽ ページ32
【 直己 side 】
撮影が始まって俺が数学の教材を出すと、
あからさまに嫌そうな顔をして
「英語にしましょう」と訴えてきた。
そんなAちゃんに
半ば強制的に数学の教材を開いて
問題を解くよう行ったんだけど
教材をガン見するだけで全く動かない。
A「...直己さん」
NK「ん?」
A「アナタは鬼ですか?」
NK「いえ、人間です」
A「...これはなんですか?」
NK「数学の教材です」
さっきから何を言っているんだろうと
真顔でそう返していると
涙目で俺を見たAちゃんは、
A「こんなの分かる訳ないじゃないですか!」
と訴えてきた。
NK「どこがわからない?」
A「...全部」
...Aちゃん嘘でしょ?
俺、さっき見た中でも結構簡単なやつ
選んだつもりだよ?
NK「ごめんね、じゃあこっちの問題にしようか」
今にも泣きそうな(貴女)ちゃんを見て、
俺はさらに簡単な問題にした。
A「直己さんの鬼ーーーー!」
...そう言ってAちゃんは机に突っ伏した。
スタッフ「カメラ止めてー!」
このままでは埒が明かないと判断したスタッフさんが
カメラを止めるように指示。
慌てた様子でマネージャーさんが
Aちゃんに駆け寄る。
マネージャー「Aちゃん、大丈夫?」
A「数学嫌ですーーー!」
マネージャー「分かるとこまでいいから頑張ろ?」
A「やだーーーー」
数学を断固拒否するAちゃんと
それを説得するマネージャーさん。
まるで勉強嫌いな子供に宿題をさせようとする
母親のような光景で見ていて面白い。
俺はすかさずカメラでムービーを撮る。
629人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゃそ | 作成日時:2016年5月20日 14時