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【 隆二 side 】




隆「臣ってさぁ...不器用すぎるよね」


程よく酔ってきた臣に言った言葉。

手先じゃなくて...感情表現っていうの?
それがとにかく下手。


臣「俺さ...」

隆「...」


静かに話し出す臣に俺は黙って耳を傾ける。


臣「わかんねぇんだよ...Aのこと...」

隆「何が?」

臣「今までテキトーに付き合って別れてを
繰り返してきたけどさ...
Aと出会ってからそんなくだらねぇことでさえ
後悔するようになってきて...」

隆「うん...」

臣「Aが俺以外の奴に懐いてるの見たり、
俺には何の相談もして来ねぇとことか...
イライラして...」

隆「...」

臣「自分から突き放すクセして
結局気になってまたそばに置いて...」


そう話す臣。

そこまで分かってんのに...
何ですぐ目の前にある答えに辿り着けねぇんだよ。


隆「それってさ...Aちゃんの事好きなんじゃね?」


臣がウダウダ話すばかりでその言葉が
出てくる気配もないから俺から先に言ってやった。

すると...、



臣「はぁぁぁぁぁぁぁ?!
んなわけねぇだろ...バ、バカじゃねぇの?!」


大きい声を出して明らかに動揺し始めた。


隆「顔、真っ赤だけど?」

臣「...うっせぇ」

隆「別にいいんじゃない?そろそろ素直になっても」


俺がそう言うと臣は切なそうに...うつむいた。


臣「...俺じゃダメなんだよ」

隆「は?」

臣「アイツ、岩ちゃんが好きだからさ」


そう笑う臣は苦しそうで...
俺は見てられず目を逸らした。

▽▽▽→←▽▽▽



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作者名:ちゃそ | 作成日時:2016年5月20日 14時

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