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▽▽▽ ページ12

【 臣 side 】




A「...っ...」


体を震わせ涙を流すA。

我に返った俺はそっとAを解放し抱き締める。

ビクッと反応した体はより一層震えるから
俺はAを残して寝室を出た。


岩「臣さん...」


リビングに1人取り残されていた岩ちゃんは
心配そうな顔をして俺を見つめてきた。


臣「悪い...しばらくA預けてもいい?」

岩「俺はいいっすけど...」

臣「...A寝室で泣いてるから早く行ってやって」


俺の言葉を聞くなり、
何も言わずに寝室へと向かった岩ちゃん。


しばらくしてAを抱き上げた岩ちゃんが
リビングにひょっこり顔を出して
「帰るから!」と俺のマンションから出てった。


臣「...くそ!」


俺は近くに転がっていたクッションを
思い切り蹴りあげた。

その時携帯が鳴った。


臣「...はい」

隆『俺だけど今から来れる...?』


急な隆二からの誘いに大体のことを
岩ちゃんから聞いたんだと分かった。

それからすぐマンションから出て
隆二の待つBARに向かった。


___カランカラン


隆「遅ぇよ」


BARに着くと隆二はもう飲み始めていた。


臣「そんな遅くなってねぇだろ」


隆二の隣に座って酒を頼む。

少ししたら俺が頼んだ酒が出てきて、
それを一口飲む。

呼び出したくせに何も話さない隆二に
イライラしながらも俺は黙って酒を飲み続けた。


隆「臣ってさぁ...」


少し酔いが回ってきた時にようやく話し始める隆二。


隆「...不器用すぎるよね」

臣「あ?」


元々俺、美容師だし...手先は器用だと思うけど?


...なんて思っていたら
「あ、手先の事じゃねぇよ?」って言われた。


臣「...俺のどこが不器用なんだよ」

隆「んー...そう言われるとなんて言えばいいのか
分かんないけど...気持ち?」

臣「...気持ち?」

隆「そう」


俺には隆二の言ってる事が分からなかった。


臣「何、鈍感とか言いてぇの?」

隆「うん」


即答かよ!
...てか、どっちかと言えば隆二のが鈍感だけど?

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作者名:ちゃそ | 作成日時:2016年5月20日 14時

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