ウミガメ ページ1
-A side-
A｢ねぇ、竜…戻ろうよ……｣
竜｢っせーな、お前さっきからそればっかじゃん｣
あれからしばらくフロートに乗り、
竜に連れられるままの私。
どんどん進む竜によって気付けば
陸は結構遠くなっていた。
もちろん私が自力で帰れるはずもなく、
戻る為には竜に連れてって貰わないといけない訳で
さっきから何度も戻ろうと伝えている。
だけどそれに対して返ってくるのは不満そうな声。
明らかに機嫌が悪くなっていく竜に
これ以上何も言えず黙り込む。
竜｢…下｣
A｢え？｣
竜｢…下見てみろよ｣
A｢無理！｣
今の水に浮いてる状態でも怖いのに、
下が透けてるフロートなんて…
怖くて見る勇気はない。
竜｢大丈夫だって｣
A｢無理！やだ！怖い！｣
竜｢手繋いでんじゃん、大丈夫だから｣
そう言われて繋いでる手にギュッと力を入れ、
恐る恐る下を向くと
透き通る海の中にカラフルな魚達が
沢山泳いでいるのが見えてきた。
A｢わぁ…綺麗……｣
竜｢だろ？｣
さっきまで怖くて見れなかったのに、
一瞬で海の中の世界に引き込まれた。
竜｢…あ、あそこ！｣
A｢え？｣
竜｢ほら、そこ！｣
そう竜が指差す方向に視線を向けると、
A｢ウミガメ！｣
竜｢あ、こっち来る｣
私達のすぐ目の前を大きなウミガメが泳いで行った。
A｢凄いね！｣
竜｢だな、あんな近くで見れるとは思わなかった｣
その後もしばらく海を堪能していると、
砂浜の方から数人の大きな声が聞こえてきた。
A｢…あれ、光輝達かな？｣
竜｢…たぶん？｣
遠くだからハッキリ何言ってるか分からないけど、
微かに見える赤髪、金髪、黒髪の3人。
そしてその隣に遠くからでも分かる体格いい人。
A｢…何言ってんだろう｣
竜｢さぁ？｣
A｢そろそろ戻る？｣
竜｢そんなにみんなのとこ、戻りてぇの？｣
A｢え？｣
いつもと違う真剣な表情に思わずかける言葉を失う。
竜｢……何でもない、戻るか｣
そう言って陸の方に進む竜。
A｢……竜｣
竜｢ん？｣
A｢えっと…手、離さないでね｣
竜｢……はいはい｣
自分でも分からないけど気付いたら
そう言葉にしていた。
私の言葉に竜も一瞬驚いた表情を見せたけど、
優しく微笑んで行きと同じように手を繋いでくれた。
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月歌兄弟(プロフ) - 続き楽しみにまってます!!更新無理せず頑張ってください！ (2021年7月6日 8時) (
レス) id: 608426acb5 (このIDを非表示/違反報告)
飴 - 更新楽しみに待ってました！！これからも更新頑張ってください！！ (2021年2月13日 9時) (レス) id: f127e1106e (このIDを非表示/違反報告)
れお(プロフ) - 続き見たいです！この作品大好きです！頑張ってください☆ (2021年2月4日 18時) (レス) id: edb2b83ba4 (このIDを非表示/違反報告)
gun0306hokuto(プロフ) - 毎日楽しみ(^^)です主人公ちゃんと竜が幸せになって欲しいです (2020年12月13日 22時) (レス) id: 5f5a7dd17c (このIDを非表示/違反報告)
ちゃそ(プロフ) - SHEROさん» ありがとうございます(T^T)そう言って頂けて嬉しいです！ (2020年11月28日 17時) (レス) id: 7e7c3a00d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃそ
| 作成日時：2020年11月21日 23時
