それぞれのお話

好きになってよF#30 ページ27

球団の広報として働いてる私


青嶋A23歳


今日も大忙しです


『おはようございます。写真とっても大丈夫ですか？』




目の前にいるのは菩薩のように優しい方



｢俺ってさ需要ある？｣




『鍵谷さん結構人気ですよ』




｢ふーん、Aちゃんはさ誰を撮ってる時が1番楽しい？｣




突然そんなことを聞いてくるもんだから少しだけ悩む






『皆さんが笑顔で練習したり試合したりする時が一番楽しいです』



｢そっか、みんなってことは俺も入ってる？｣



『もちろんです！』



そう言うと彼は優しい笑顔を浮かべて私の頭を撫でてくれた



｢嬉しいなぁ。Aちゃん、1個だけお願いがあるんだけどいい？｣



『はい！なんなりと言ってください』



そう言うと彼はまた優しい笑顔を浮かべた




｢これからはさ俺を撮ってる時が1番楽しいって思ってほしいな｣





『えっとそれはどういう事ですか？』



｢俺を好きになってよ｣



そう言って去っていく彼



不思議と頬が熱くなる


―――――――――――――――――――

鍵谷side



Aちゃんという広報さんが入ってきてもうすぐで2年




彼女は体に合わないデカイカメラを首から下げ犬みたいに走り回っている



25｢A、お前俺の写真撮れや｣


11｢A、今度ご飯食べ行こ｣



9｢A、俺写真撮られるの好きじゃないとよ｣




Aちゃんが入ってきてから全員が1日1回以上Aちゃんに声をかける




やっぱモテるなって思ってて最初はただそれだけだった




彼女が写真の確認をしてる時の笑顔に惚れてしまった



そんなある日




｢おはようございます。写真撮っても大丈夫ですか？｣




彼女から声をかけてもらった



『俺ってさ需要ある？』




｢鍵谷さん結構人気ですよ｣




『ふーん、Aちゃんはさ誰を撮ってる時が1番楽しい？』


少しだけ悩んでいる感じででも笑顔で答えてくれた



｢皆さんが笑顔で練習したり試合したりする時が一番楽しいです！｣




『そっか、みんなってことは俺も入ってる？』



｢もちろんです！｣



彼女の頭を撫でてやると犬みたいに嬉しそうにする


『嬉しいなぁ。Aちゃん、1個だけお願いがあるんだけどいい？』



｢はい！なんなりと言ってください｣




『これからはさ俺を撮ってる時が1番楽しいって思ってほしいな』



きょとんとなるAちゃん




『俺を好きになってよ』


真っ赤になった彼女を背にグラウンドへ向かった

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