マフラーC#51 ページ1
寒い冬の放課後
野球部のあいつと何人かで帰ろうとしたとき
あいつにマフラーを奪われた
『あっ、誠也！マフラー返して』
51｢やだ、寒いもん｣
は？あたしだって寒いわ
私より背が高いあいつの首に巻かれる私のマフラー
51｢あ〜Aの匂いがする｣
『変なこと言わないで！』
51｢なぁ、俺と付き合って｣
突然立ち止まる大きな背中
『今なんて言った？』
くるりとこちらを向いた彼の顔は赤かった
51｢俺と付き合うならこのマフラー返してやる｣
思考が停止中
51｢返して欲しくないなら別にいいけどな｣
そう言って進行方向を向いてまた前を歩いていく
その背中をぼーっと見てる
あの、意地悪な誠也が付き合ってって言った？
何かの罠かもしれない、付き合った後パシられたり、奢らせられたりするかもしれない
51｢おい、チビ。遅い｣
目の前には誠也の顔
『あの、なんで私なの？』
そのままの状態で聞く
51｢好きだから｣
今度は照れずにまっすぐ私を見て言った
『で、でも、誠也意地悪するじゃん』
私だけにいっつも意地悪
51｢だあー、お前が好き過ぎてどうしていいかわかんなくて悪口しか言えないんだよ！｣
ぐしゃぐしゃと私の頭をなでる
51｢で、付き合うの付き合わないの？｣
そんなのとっくの昔に決まってる
『好きだよ。バカっ！』
そう言って彼に私からキスをする
びっくりした顔をしてからふわっと笑って繋がれた手
『ねぇ、マフラー返してよ』
51｢やだ、｣
くそっ、付き合ったのに
こうなれば嫌味でも言ってやろう
『あ〜寒い寒い。凍え死んだら誠也のせいだー』
51｢あ〜もう、わかったよ｣
そう言って彼はカバンからウィンドブレーカーを取り出し私に着せた
『なに、これ。でかいし汗臭い』
51｢文句言うな、暖かいだろ？｣
悔しいがマフラーするより暖かい
『ムカつく、ますます好きになっちゃうじゃん』
51｢お前いつから俺のこと好きなの？｣
高校入ってすぐ隣の席になって私の初めての友達になってくれた時から
でもそんなこと言えなくて
『そんな誠也はいつからなの？』
51｢俺は入学式の前に桜の木の下にいたお前を見た時からずっと｣
こんなのずるい。
『私は生まれてきた時からだよ。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 165人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「プロ野球」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かほべえ(プロフ) - いつも楽しませてもらってます。 リクエストで、カープの菊池涼介選手をお願いします！ (2017年7月4日 2時) (
レス) id: 83674aab46 (このIDを非表示/違反報告)
あやか - 初めまして！こんにちは！！リクエストで巨人の立岡宗一郎選手お願いします！ (2017年6月15日 23時) (レス) id: 57ce88721e (このIDを非表示/違反報告)
真紘(プロフ) - 石井選手のリクエスト答えてくださりありがとうございます！またお願いします！ (2017年6月5日 16時) (携帯から) (レス) id: aaea7016b4 (このIDを非表示/違反報告)
真紘(プロフ) - はじめまして！いつも読ませていただいてます！リクエストでファイターズのルーキー石井一成選手は可能ですか？可能でしたらお願いします！ (2017年6月2日 20時) (携帯から) (レス) id: aaea7016b4 (このIDを非表示/違反報告)
★☆Lily☆★(プロフ) - けーぞーさん、ありがとうございました！！ (2017年4月30日 0時) (レス) id: 8ca024d698 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：陽愛 | 作成日時：2017年3月6日 17時
