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とある集合住宅のその一室、"岡崎"とかかれた住居の前にやってきた伏黒とA。
目的はひとつ…少年院で息子さんを心配していたあのお母さんに会いに来たのだ。
「A、俺だけで行っていいか」
『え、』
突然のお願いに目を丸くするも、Aは自分を見つめる彼の瞳からなんとなく思いを察する。
何故か、だなんて聞くだけ野暮だと察した。
『…わかった。私の分も頼んだよ』
「ああ。サンキュ」
『ん。いってらっしゃい』
呼び鈴を鳴らし、開いた扉に入っていく恵。
扉の影に座り込み膝を抱えて目を瞑るAの脳裏には、今朝の彼との会話が浮かんでいた。
__________呪術師としてどんな人達を助けたい?
そう聞いてきた恵に驚きつつも、Aははっきりと口にする。
__________善人も悪人も関係なく、自分の手の届く範囲なら誰でも助けたい。
悠仁の生き様を見て、改めて強く思ったこと。
助けられる命は助けよう。
たとえどんなに悪人だったとしても、その人には必ず天罰が下るのだから。
そんなことを考えていると、家の中から女性の泣く声が聞こえてきた。
『…助けられなくて、ごめんなさい』
小さく口にした一言を噛み締めて立ち上がったとき、ちょうど扉が開いて恵が出てきた。
ぽんと背中を押して高専へと足を向ける。
ここからが、私たちのリスタートだ。
*
「おっせぇよA、恵。2人して何してた?」
「こんぶ」
高専に戻れば、既に野薔薇が二年生にしごかれていた。
パンダ先輩に投げ飛ばされてる彼女に苦笑しつつ、ぐっと体をのばして真希さんと棘先輩に近づいていく。
「なんでもいいでしょ」
『こら。すみません、お待たせしました』
先輩に対してなんて言い方だと咎めつつ、自身の呪具を手に持った。
サムズアップしながら笑いかけてくれる棘先輩にニコッと笑い返していると、恵が真希さんに問いかけていた。
「禪院先輩は、呪術師としてどんな人たちを助けたいですか?」
「あ?別に私のおかげで誰が助かろうと知ったこっちゃねぇよ」
真希さんらしいと思いながら、ボソっと聞かなきゃよかったと呟く恵に笑いをこぼす。
そんななか、今現在パンダ先輩に投げ飛ばされている野薔薇の悲痛な叫びが響き渡るのだった。
(てかAのジャージかわいいわね!どこで買ったの?)
((でしょ!よかったら一緒に買いいく?))
(いく!今すぐ行くわよ!)
((学ラン辛かったのね))
***
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れおすけ(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます!!!笑 また更新頑張ります!! (2021年11月10日 0時) (レス) id: 62ab6277f9 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - 好きです!笑 (2021年11月9日 12時) (レス) @page38 id: ca5a92bd63 (このIDを非表示/違反報告)
れおすけ(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます!オチは自分の中でも未定ですので、今後も応援してくれるとうれしいです! (2021年4月19日 14時) (レス) id: 424d22639a (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - れおすけさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年4月19日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れおすけ | 作成日時:2021年4月14日 23時