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その頃、地面に吸い込まれたAたちは数えきれないほど多くの呪霊に囲まれていた。
「なんて数…」
『手分けして祓おう。
はやく恵たちと合流しないと…!』
突然感じたとんでもない呪霊の気配。
まさか特級が出たんじゃ…!
「A!!」
『ヘーキ!!野薔薇は自分のことだけ考えて!』
【重力操術】
自分の触れた対象の重力を操る、私の術式だ。
ベクトルやその強さも操れるため、触ったら格上以外の対象でない限り勝ちが決まるようなもの。
ウエストポーチから銃弾をとりだし、術式を使って一度に多くの呪霊を貫く。
その合間にも呪具を使って祓っていると、野薔薇の方からうめき声が聞こえてくる。
『野薔薇!?』
「クッソ…!
お前顔覚えたかんな!!絶対呪ってやる!」
振り返れば、呪霊に足を掴まれて逆さ吊りにされている野薔薇がいた。
彼女の武器であるトンカチは折れていて、そのまま口に入れられそうである。
咄嗟に足を掴んでいる腕を切り落としたとき、背後から彼女の腰に何かが巻き付いて引っ張っていく。
「A!!」
その先にいたのは、先程わかれた恵とその式神の蛙。
野薔薇はその蛙の口の中にいた。
『恵!!よかった、虎杖は?』
「話は後だ!すぐにここを出るぞ!!」
一つ頷いて玉犬黒についていく。
領域を出るとそこには伊地知さんがいて、野薔薇を抱えてもらうと玉犬が遠吠えをした。
『ハァ…何かの合図?』
「ああ…ッ、虎杖が宿儺と変わるぞ」
「すぐに離れましょう!」
伊地知さんに連れられて車に戻り、野薔薇に簡単な反転術式をかけて病院に連れて行ってもらうことにした。
私や恵はまだ動ける。
それだけでなく、もし虎杖が戻って来なかったら……
「!生得領域が閉じた…、特級が死んだのか!」
『あとは虎杖が無事に戻れば…』
「奴なら戻らんぞ」
「『!!!』」
突然後ろに現れた宿儺の気配。
体が動かない。
そんな私たちを見て上機嫌に話をしようと言う宿儺は、そのまま視界に入って話を続けた。
「なんの縛りもなく俺を利用したツケだな。
変わるのに少々手こずっているようだ。
しかしそれも時間の問題だろう。
そこで、俺に今出来ることを考えた」
受肉したときのように上の制服を引きちぎる宿儺。
そして遮るもののなくなった胸元に向け、自身の手を突き刺す。
『何して…ッ』
「小僧を人質にする」
虎杖の心臓を、抜きとってしまった。
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れおすけ(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます!!!笑 また更新頑張ります!! (2021年11月10日 0時) (レス) id: 62ab6277f9 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - 好きです!笑 (2021年11月9日 12時) (レス) @page38 id: ca5a92bd63 (このIDを非表示/違反報告)
れおすけ(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます!オチは自分の中でも未定ですので、今後も応援してくれるとうれしいです! (2021年4月19日 14時) (レス) id: 424d22639a (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - れおすけさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年4月19日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れおすけ | 作成日時:2021年4月14日 23時