両面宿儺の指 ページ2
'
「……い、おい、おきろA」
優しく体を揺すられて、ぼんやりと目を開ける。
目の前には幼馴染である男が立っていて、そのままぼーっとしていると手を引っ張られ立ち上がらされた。
『うぅ…なに？』
「なにじゃねぇよ。着いたぞ、仙台」
ほら、と向いた指先には仙台と書かれた駅の看板。
続々と人が出て行く様を見て、今までのことを思い出した。
はっきりと目が覚めて、慌てて人の波に乗って新幹線を降りたところで安堵の息をつく。
『あ、危なかった…！ごめんね恵、助かった』
「お前が寝起き悪いことなんて分かりきってるし慣れてるんだよ、気にするな」
『ありがと』
一見お礼を言うことではないように聞こえるけど、幼馴染である2人だからこそ言いたいことの意味は伝わってくる。
少し微笑んだ男…伏黒恵は、行くぞ、と足を進める。
『杉沢第三高校だっけ』
「ああ。百葉箱の中にあるって…不用心にも程があるだろ」
『あの五条先生の言うことだしねぇ…。
まあ、さすがに鍵くらいはついてるだろうし？すぐ終わらせて牛タンでも食べていこ！』
「フッ…そうだな」
2人がここにきたのは、呪術師としての任務をこなすため。
内容は、特級呪物・両面宿儺の指の回収である。
向かう先は、宮城県立杉沢第三高校。
特級呪霊ならともかく、呪物の回収なんて簡単に終わるはず。
______________だったのだが、
「〈ないですよ、百葉箱空っぽです〉」
〈え、まじで？うけるね〜、夜のお散歩かな？〉
「〈ぶん殴りますよ〉」
〈それ、取り戻すまで帰ってきちゃダメだから！〉
まさかの鍵がついていた痕跡すらない、中身が空っぽの百葉箱。
恵と周囲を探しても見つからなかったことから、誰かが持ち出してしまった確率が高い。
『あんなの誰が持ってくのよ……先生なんだって？』
「取り戻すまで帰ってくるなって」
電話の内容を教えてもらったけど、その適当加減に思わずため息をこぼしてしまった。
考えることはひとつ。
「『今度まじで殴ろう』」
恵と頷きあい、もう夜も遅いということでひとまずは今日泊まるホテルに戻った。
(あ！ワンチャン食べれるかな牛タン！)
(いや、この時間じゃやってる店がないだろ)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1083人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れおすけ(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます！！！笑 また更新頑張ります！！ (2021年11月10日 0時) (
レス) id: 62ab6277f9 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - 好きです！笑 (2021年11月9日 12時) (レス) @page38 id: ca5a92bd63 (このIDを非表示/違反報告)
れおすけ(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます！オチは自分の中でも未定ですので、今後も応援してくれるとうれしいです！ (2021年4月19日 14時) (レス) id: 424d22639a (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - れおすけさん初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年4月19日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れおすけ | 作成日時：2021年4月14日 23時
