高校2年、春 ページ5
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春、後輩が入ってきた。
今は新入生の部活勧誘をしている。
「これ、今んとこの入部届」
『ちょっと少ないですけどね』
潔子先輩と2人で集めた入部届を、大地先輩たちに渡しにいった。
といっても、私の後輩含めてたった2枚だけなんだけど。
「サンキュー」
「たしかに少ないなー…。昔は多かったはずなのに」
「これから増えるって、2人とも」
スガ先輩に頭を撫でられていると、龍がずいっと前のめりになってくる。
ああ、これはいつものパターンだな。
そうどこか楽観的に思っていた。
「潔子さん、A、今日も美しいっす!」
「A、着替えいこう」
『はい!』
「ガン無視興奮するっす…!」
龍よ、流石にドMすぎるぞ。
もう1人いないからまだ静かだけど…、もう1人いたらもっとうるさいんだよな。
○
『…あ、あれ』
いつものように潔子先輩と女子更衣室で着替えて体育館に行くと、入り口の前で見覚えのある2人が言い争っていた。
『ふふっ、潔子先輩、先入っててください』
「?わかった。…あの」
潔子先輩が2人に声をかけると、言い争いをやめてこっちを振り向く。
「そこ、通してくれる?」
「あ、はい」
入り口のドアをあけて入ったあと潔子先輩は龍に絡まれるけど、ガン無視して素通りした。
何故かすぐにスガ先輩にドアを閉められたあと、私は2人の方を向く。
『2人とも入学おめでと!』
「「A先輩!/女神様!?」」
そこにいたのは、影山と翔ちゃん。
入部届の”日向翔陽”って翔ちゃんだったんだと、入り口で見たときに気づいた。
それより気になることが一つ。
『女神様?』
「あ、あの!中学の試合のとき、薬くれて応援してくれてましたよね!?あ!俺のこと覚えてますか!?日向翔陽っていいます!」
声援が聞こえてたんだと思わず笑うと、翔ちゃんは絶望的な顔をした。
忘れられてるとでも思ってるのだろう。
『もちろん覚えてる。雪ヶ丘中の主将さんでしょ?』
「っは、はい!!」
『よろしく!仁科Aだよ。Aでいいからね!』
「お願いしぁす!!」
……なんか、犬みたいで可愛い。
私より背は高いけど頭撫で回したい。
『影山もよく来たね。また背伸びたんじゃない?』
「うす。今180っす」
『うわっ、まじで?私より20cmも高いじゃん、生意気!』
「なんでっすか!」
『あははっ』
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れおすけ(プロフ) - ライチさん» 嬉しいコメントありがとうございます!また岩ちゃんとの両片想いを楽しんでください☺️ (9月11日 18時) (レス) id: 62ab6277f9 (このIDを非表示/違反報告)
ライチ(プロフ) - コメント失礼します!!思わず一気読みしたのですが途中、『仁科ちゃんと岩ちゃんもう付き合えよ!!!』って夜中なのに思わず叫びそうになっちゃいました...ww続き楽しみにしています!! (9月8日 1時) (レス) id: b468f3d3be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れおすけ | 作成日時:2023年8月5日 2時