撃退 ページ36
・
シューズから履き替えて体育館から出て後ろから肩を叩かれて振り返ると、そこにいたのは青城のジャージを着た人。
「こんにちは、よかったら案内しますよ」
『あ、いえ。バスまで荷物を取りに行くだけなので』
「なら荷物持ちますよ」
練習優先してください、なんて営業スマイルで断わりながらバスに向かっているのに着いてくる。
いい加減我慢できなくなったとき、反対側から手を引かれて誰かの背中に隠された。
「何してんだ、お前」
「いっ、岩泉さん!!」
『先輩…?』
なんでここに、なんて言葉を言う前に繋がれた手に力が入る。
……あれ?先輩と、手つないでる…!??
「試合出ねーからってナンパしてる暇ねえだろ。そんなんじゃいつまで経ってもレギュラーなんて取れねえぞ」
「すっ、すいません!」
「わかったらさっさと戻れや!」
「はい!!」
『はっ、!』
ナンパ男の大きな声に意識が戻る。
気付けば走り去るナンパ男と、それを睨みつける岩泉先輩がいた。
『せ、先輩?』
「…悪いなうちの奴が」
『いえそんな…私こそすみません』
どうしよう、すごく怒っている。
『でも助かりました。あとちょっとしつこかったら実力行使でしたね』
「ならその後出ればよかったな」
『え!?』
「……冗談だ」
『かなりガチに聞こえましたけど』
そんな怒るほど心配してくれた?
自意識過剰かもしれないけど、そうならすごく嬉しい。
幸いバスの目の前まで来てたからすぐにボールの入ったカバンを取りに行き、先輩に声をかける。
『ほら先輩、早く戻りましょ!』
「ん、そうだな」
『あ、』
流れるようにボールを持ってくれた先輩。
慌てて受け取ろうとするも、いいからと返してくれなかった。
イケメンか!!
『そういえば金田一と国見入ったんですよね?レギュラーですか?』
「おう。そういやお前、アイツ等にどこ行ったか教えてなかったんだな。Aが青城にいないってわかったときはショックうけてたぞ」
『え、めっちゃかわいい。
それと今日及川さんは?体育館にいないみたいですけど…』
「捻挫して今病院行ってる。ったく、オマエ等には影山出せとか偉そうなこと言っといて…」
悪いな、飛び蹴りは試合の後にしてくれ。
そう言われて、2人で不敵な笑みで頷いた。
483人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れおすけ(プロフ) - ライチさん» 嬉しいコメントありがとうございます!また岩ちゃんとの両片想いを楽しんでください☺️ (9月11日 18時) (レス) id: 62ab6277f9 (このIDを非表示/違反報告)
ライチ(プロフ) - コメント失礼します!!思わず一気読みしたのですが途中、『仁科ちゃんと岩ちゃんもう付き合えよ!!!』って夜中なのに思わず叫びそうになっちゃいました...ww続き楽しみにしています!! (9月8日 1時) (レス) id: b468f3d3be (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:れおすけ | 作成日時:2023年8月5日 2時