電話 ページ32
・
耳元で聞こえる先輩の声。
久しぶりの電話に浮かれているのがバレたのか、電話越しで少し笑い声が聞こえた。
すこし恥ずかしい。
《練習試合の話聞いたか？》
『はい！条件付きとはいえ、青城と練習試合ができるなんて思いませんでした』
《…条件？》
何のことだという先輩。
影山セッターでというのは知らないみたいだ。
『顧問の先生の話だと、影山をセッターとしてフルで出すなら練習試合するってことらしいです』
《はぁ？なんだそれ、誰が………クソ川か》
『ですよね〜』
あはは、と無感情の笑い声を出すと先輩に謝られてしまった。
『先輩が謝ることじゃないですよ！それを了承したってことは監督もそれがベストだと判断したってことですし、実際今の実力差はみんなわかってますから。
とはいっても、負けるつもりで挑むことはないですけど』
《ハハッ、そうだな。俺らも全力で受けて立つだけだ》
『もちろんです！でもクソ川さんには飛び蹴りをお見舞いするつもりなのでよろしくお願いします』
《おう、俺からも一発いれとくわ》
なんとも心強い言葉に笑い合う。
それからも他愛のない話をしていると、電話の向こうから先輩を呼ぶ声が聞こえた。
声的に岩泉先輩のお母さんだ。
気付けばもう7時。
私もとっくに家に着いてのんびりしていたけど、そろそろ夜ご飯の時間だ。
『じゃあ先輩、また来週会えるの楽しみにしてます！』
《ん、俺も楽しみにしてる》
………うん、ずるい。
電話が切れた後、ベッドに顔を埋めながら悶えてるところをお母さんに見られたのはここだけの話。
○
(可愛すぎんだろ…)
岩泉は電話をきり、緩む口もとを隠すように手でおおった。
中学の頃から自分を慕ってくれる後輩。
楽しく部活をできていて良かったと安心していると、部屋の扉が少し開いていて隙間から母がのぞいているのに気づく。
「はじめ、誰と電話してたの〜？」
「母ちゃんわかってんだろ…」
「ふふ、お母さんも久しぶりに会いたいわ〜！またAちゃん連れてきなさいね」
「…おー」
夕飯食べましょ、と声をかけて離れる岩泉母もAのことを気に入り可愛がっている。
次会った時に誘ってみるか…
そう岩泉が決意したことを、Aがしるはずもなかった。
＊
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れおすけ(プロフ) - ライチさん» 嬉しいコメントありがとうございます！また岩ちゃんとの両片想いを楽しんでください☺️ (9月11日 18時) (
レス) id: 62ab6277f9 (このIDを非表示/違反報告)
ライチ(プロフ) - コメント失礼します!!思わず一気読みしたのですが途中、『仁科ちゃんと岩ちゃんもう付き合えよ!!!』って夜中なのに思わず叫びそうになっちゃいました...ww続き楽しみにしています!! (9月8日 1時) (レス) id: b468f3d3be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れおすけ | 作成日時：2023年8月5日 2時
