終幕 ページ4
・
試合が始まった。
雪ヶ丘の方は翔ちゃん以外ほぼ素人のようなもので、点差はどんどん開いていく。
「さすが北一だな」
「優勝候補だしな」
『うっ…、翔ちゃん…っ』
「ってなに泣いてんだA！？」
雪ヶ丘のセッターが翔ちゃんって呼んでるから真似してる私。
初めての試合でこんな…！
『がんばれ翔ちゃーん！雪ヶ丘ー！！』
「っちょ…Aは北一出身だろ！？」
第一セットの途中、それは起こった。
セッターに返ったボールは、きれいに翔ちゃんにあがった。
そして─────
「おおっ」
「すごいバネだな…」
”俺は跳べる”
翔ちゃんの言葉どおり跳んだ。
……いや、”跳んだ”じゃない。
”飛んだ”。
結局ブロックに捕まってしまったけど、その身長からは考えられないジャンプ力。
『……欲しいな』
第二セット。
北一のミスだが、第一セットよりは点数をとれていた。
ズパァン！！
「金田一ナイスキー！！」
金田一のスパイクが、ブロックの上からたたき落とされる。
その少しあと、影山のトスと金田一のスパイクがズレて、なんとか点をとれたって感じだった。
『影山のトス…』
金田一と国見に怒鳴る影山。
すこし不穏な空気が流れていた。
……もしかして、”コート上の王様”っていう異名の意味は…。
○
どんどん試合は進み、終盤の翔ちゃんのスパイク。
きれいに翔ちゃんにあがったトスは、ブロックにあたりブロックアウトをとった。
「よっしゃぁあ！！」
『やったぁあ！！』
そして次の攻撃。
「翔ちゃん、頼んだ……！」
レフトの翔ちゃんにトスをあげようとしたセッターの子だったが、ミスで正反対のライトの方にいってしまった。
それも、速攻のような早いトスで。
誰もが追いつけないと思ったとき、
『っな…！』
いつのまにか、反対にいた翔ちゃんがトスに合わせて跳んでいた。
あわててブロックしようとした影山も間に合わず、サイドラインぎりぎりに打ち落とされた。
「きみ！大丈夫か？」
派手に転んだ翔ちゃんを心配した先生を気にとめず、翔ちゃんはすぐに立ち上がって審判を見上げる。
判定は……
「アウト…」
獲得セット数、0。
総試合時間、31分。
翔ちゃんの中学の試合は、幕を閉じたのだった。
＊
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れおすけ(プロフ) - ライチさん» 嬉しいコメントありがとうございます！また岩ちゃんとの両片想いを楽しんでください☺️ (9月11日 18時) (
レス) id: 62ab6277f9 (このIDを非表示/違反報告)
ライチ(プロフ) - コメント失礼します!!思わず一気読みしたのですが途中、『仁科ちゃんと岩ちゃんもう付き合えよ!!!』って夜中なのに思わず叫びそうになっちゃいました...ww続き楽しみにしています!! (9月8日 1時) (レス) id: b468f3d3be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れおすけ | 作成日時：2023年8月5日 2時
