何度でも ページ24
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「…手に、手に当たったぁぁぁ!!」
「大げさだな…」
「っおい」
月島の言葉に、大地先輩は目を見開いて続ける。
「今日向…、目え瞑ってたぞ…」
「「「はァ!?」」」
シンクロする驚いた声。
まあかく言う私も驚いてるけども。
『影山がボールを全く見てない翔ちゃんの手のひらにピンポイントにトスを上げた。
スイングの瞬間に合わせて、寸分の狂いも無く』
「すげえ すげえーっ!!なあ何!?今の何!?
当たったんだけど手に!今!俺の!!なあ!!」
「ぅオイお前ぇぇ!!目え瞑ってたって何だ!!」
「お前がボール見るなって言ったんだろ!?
目え開けてると、どうしてもボールに目が行くから…」
「確かに言ったけどっ」
「でも今の成功だろ!?何が悪い!」
「それはそうだけどっ、
100%信じるなんてできるか普通!?」
「だって今、信じる以外の方法わかんねえもん!!」
その言葉に影山は驚いている。
これだけ真っ直ぐに、信じるなんて言われたことに。
「スゲェぞおいスゲェなおい!」
(日向のあのバネも機動力も…!俺のトスなら活かせる…!!)
「…よし!日向のスパイクが決まればマークが分散して田中さんも打ちやすくなる!」
「おお!」
「よっしゃ!」
「俺達には信頼関係”なんて微塵も無いが…」
「「え」」
「次もボールは俺が持って行く。信じて跳べ」
○
影山があのトスをあげる。
けど、
「あ」
「へぶッ」
「悪い」
ボールは手ではなく、顔面に突撃した。
「うーん…、さっきのはマグレかな」
「でも確実にトスの精度は上がってきてるよ」
「そうですかね?」
「うん」
「大丈夫?」
『痛そうだね〜。はい、冷たいタオル。ちゃんと冷やしてね』
「あ、はははい!ありがとうございます!!」
うん、大丈夫っぽい。
潔子先輩に照れてキョドってるけどそこがかわいい。
前にいる影山を見れば、笑っていた。
これくらいのスリルがなくちゃ、影山はつまらないんだろうな。
「なにニヤニヤしてんだよフザけんな!!
顔面2回目だぞ!!」
そう、2回目。
タオルを頬に当てながら翔ちゃんは影山に文句を言う。
でも文句をいいながらも、何度でも影山を信じてボールを見ずに跳んだ。
『よかったね、影山』
「……絶対に成功させます」
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れおすけ(プロフ) - ライチさん» 嬉しいコメントありがとうございます!また岩ちゃんとの両片想いを楽しんでください☺️ (9月11日 18時) (レス) id: 62ab6277f9 (このIDを非表示/違反報告)
ライチ(プロフ) - コメント失礼します!!思わず一気読みしたのですが途中、『仁科ちゃんと岩ちゃんもう付き合えよ!!!』って夜中なのに思わず叫びそうになっちゃいました...ww続き楽しみにしています!! (9月8日 1時) (レス) id: b468f3d3be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れおすけ | 作成日時:2023年8月5日 2時