念願の ページ15
影山は返ってきたボールを見つめたあと、ゆっくりと両手をあげた。
フワッ
すこし遠くにいる翔ちゃんのことを考えた、高くて打ちやすそうなトス。
「影山がトスを上げた…！？」
「でも、日向にスパイク打つ気力なんて…」
『大丈夫ですよ、きっと』
ゆっくり立ち上がりながら息も絶え絶えで俯いてる翔ちゃんを見ながら笑う。
顔を上げてトスを見た翔ちゃんの辛そうな表情は、すぐに消え失せた。
((えがお！？))
『行け翔ちゃん！！』
驚いてる龍とスガ先輩。
２人の間で、満面の笑顔でそう叫べば、翔ちゃんのスパイクはきれいに決まった。
「相変わらずよく飛ぶなぁー！」
「あんな状態から打ちやがった…」
『ナイスキー！』
床に手と膝をついて息を整えてる翔ちゃんを見ながら、昼休みの練習のときの会話を思い出した。
「セッターからのトスが上がるっていう…
俺達にはごく普通のことが、日向にとっては特別なことなんだろうな」
『ですね。すごく嬉しそう』
スガ先輩と笑った後、２人にドリンクとタオルを持って駆け寄った。
「ゲェッホ、ゲホ！オェッ」
『ゆっくり呼吸しな』
喋るのも辛いのか、必死に頭を下げてお礼を伝えてくる翔ちゃんの頭をとうとうなでてしまった。
でも今の翔ちゃんには気にする余裕がないらしく、されるがままになっていた。
「………おい。土曜日、勝つぞ」
「！！」
そういった影山に素直に驚いた。
翔ちゃんを認めた…？
『…っ、成長したね影山ー！！』
「っちょ、A先輩！？」
抱きしめ…ってゆーか抱きつけば、影山は体を固くしてあたふたし始める。
あ、これおもしろい。
「くぅぅぉおら影山ー！なにAに抱きつかれてんだコラ！！」
「田中落ち着けー、Aも影山から離れようなー」
やんわりと引き離されて、改めて翔ちゃんに向き直る。
すごく嬉しそうな顔で、なにか言おうとしていた。
“最強の敵”だったなら、今度は“最強の味方”
本当にそのとおりだ。
背を向けて片付けようとする影山。
そんな影山に焦ったのか、突然ガバッと起き上がった翔ちゃんにいやな予感がした。
『ちょ、翔ちゃんそんな状態で勢いよく起き上がったりしたら…！』
「あっ、ゼェ…あたっ、ハァｯ、あたりまえどぅあォェェッ」
『だから言ったのにィ！！』
「水っ！」
「モップ！」
「ボゲ日向ボゲェ！！」
何があったかは想像に任せます。
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れおすけ(プロフ) - ライチさん» 嬉しいコメントありがとうございます！また岩ちゃんとの両片想いを楽しんでください☺️ (9月11日 18時) (
レス) id: 62ab6277f9 (このIDを非表示/違反報告)
ライチ(プロフ) - コメント失礼します!!思わず一気読みしたのですが途中、『仁科ちゃんと岩ちゃんもう付き合えよ!!!』って夜中なのに思わず叫びそうになっちゃいました...ww続き楽しみにしています!! (9月8日 1時) (レス) id: b468f3d3be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れおすけ | 作成日時：2023年8月5日 2時
