深愛 〜凛とした強さで〜 ４

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−広臣side








広臣「…Aだけが原因じゃないから、ほんとに。だから…自分を責めないで？」



まっすぐに目を見つめ、そう告げれば…








A「……」



ただ黙って、まっすぐに俺を見つめ返す彼女。








広臣「由衣のそばにいることで今までの罪滅ぼしになるなら、『ずっとそばにいよう』って、そう思った。でも、あいつと一緒にいるたびに罪の意識ばっかり感じて…。『償うためだけ』って思ったら余計あいつのこと苦しめるだけ、って気づいて…。もう自分に嘘つくのも嫌になったんだ。だから『終わりにしよう』って言った。やっぱり…あいつは、ただの『幼なじみ』なんだよ。俺にとって」



包み隠さずに本心を告げ…



変わらず黙って、彼女は俺の話に耳を傾ける。








広臣「『Aをほっとけない』って言ったのは事実だけど…『隆二から奪おう』とか、そんなこと一切考えてないし。ただ…『心のより所になりたい』って、そう思ってるだけだからさ。だから、『自分が原因』なんて一切思わないで。ねっ？」








…ようやく本心を理解したのか、



A「…わかった(^^)」



彼女は微笑んで、そう答えた。









やがて、Aを家まで送り…



A「今日は…ほんとにありがとう(^^)」



そう言って降車した彼女の姿を、車内から見届ける。








広臣(回想)「『隆二から奪おう』とか、そんなこと一切考えてないし」








…口ではああ言ったけど、本当は怖い。



このままだと、マジでAを奪ってしまいそうな気がして…。



(早く迎えに来いよ、隆二…)








外から笑顔で手を振る彼女に手を振り返しながら…



俺は、自分の気持ちと格闘していた。

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