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「………臣。」
「……ん?」
「大丈夫?」
ガラス越しに、後ろへ流れていく景色を眺めていたら…隆二に、呼び掛けられた。
「大丈夫? ……大丈夫だよ。」
「本当に?」
「隆二さぁ…さっきから、どうした? 店にいる時から、変じゃない?」
「変なのは、臣でしょ。」
「俺?」
「うん。朱里さん来てから、ずっと変。」
「えっ…」
隆二の両瞳が、しっかりと俺を捉えている。
さすがは、相方。
お見通しな訳ね………
「さすがに、さ……なんとなく、そうなんじゃないかな…って、気づいたっていう…か。 別に、けしかけてるつもりはないんだけどさ……不完全燃焼な気持ちって、案外引きずるから………」
隆二は、どこか…哀しそうに、微笑(わら)った。
「岩ちゃんも、キツそうだったけど…臣もずっと、キツそうだったからさ。」
「………ん。」
「………あ、ホテル見えた。」
宿泊先のホテルが、近づいて来ると…隆二はすっかり、いつもの隆二に戻っていた。
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部屋に戻って…
コートのポケットからスマホを取り出し、タップする。
『もしもし。』
耳に届いた声に、気持ちが落ち着いた。
「さっきは、ありがとう。」
『こちらこそ。皆さんにご馳走になってしまって、却ってご迷惑をお掛けしてしまいました。』
「迷惑じゃないよ、全然。むしろ、嬉しかった。まさか、会えるなんて思ってなかったし。……健二郎くんに、感謝だな。」
電話の向こうで…朱里さんが、クスッと微笑(わら)った。
「…なに?」
『あ…い、え。さっき、岩田さんも同じ事を仰っていたので…仲が良いと、思考も同じになるのかな……と、思って。』
朱里さんの中で…
岩ちゃんが大きな存在を占めている事に、改めて気づかされる。
「そっか…」
『………羨ましいです。』
「えっ?」
『メンバー皆さんが、あんなに仲良しだなんて……羨ましいです。』
彼女の、声のトーンが……気になった。
「朱里さんは? 地元の友達とか、東京の友達とか…」
『皆さんみたいな関係性の友人は、いません。』
「えっ…一人も?」
『……はい。』
……………意外だった。
人見知りなのは、知ってるけど…
親しい友達が、一人もいない…って、一体………
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愁(シュウ)(プロフ) - 実際に、何回か呟いてみたくらい。(笑) でも、関西弁でお困りの時は、いつでも言うて下さいね!o(^-^)o(笑) (2018年5月24日 22時) (レス) id: 2a9117ff92 (このIDを非表示/違反報告)
愁(シュウ)(プロフ) - 舞花さん» 遅くなって、すみません!m(_ _)m そんな事、ないですよ。関西人以外の方には、そう聞こえてるんか…って、新たな発見があって、楽しいんです。(^-^) 例えば…「おん。」っていう返事。実際は、「うん。」って言うてるはずやけど、そう聞こえてるんか…って。(^-^) (2018年5月24日 22時) (レス) id: 2a9117ff92 (このIDを非表示/違反報告)
舞花(プロフ) - おはようございます♪愁さんの呟きを読んで『あー、私の書く関西弁きっと関西の方が読んだら違和感ありまくりなんだろうなー』と思ってしまいました。関西弁、教えて欲しいです(笑) (2018年5月12日 9時) (レス) id: 06beefc88f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SHU
作成日時:2017年11月17日 0時