驚き桃の木山椒の木 ページ36
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選手権の結果発表。
「ずるいわぁ」
「しょーがないじゃん、Aさんが俺がいいって言うんだから」
俺！
一気に来たからなのか、HIROさんたちに会った時みたいに俺のTシャツをギュッとちっちゃい両手で握りしめた。
ちっちゃいAさんに心臓をずっきゅんされた。()
「それにしても破壊力えぐない？」
「朝から癒しだよ、ほんとに」
まぁ俺はAさんがいるだけで毎日癒されてるけどっ！
無事会議は終わり、Aさんは疲れて壱馬の膝の上でぐっすり。
ぎゃんかわ。
会議中はずっと俺の膝の上でお絵描きしてただけだけど。
足が痺れてからは壱馬の膝の上で静かに遊んでた。
ぎゃんかわ。
この歳で静かにしないとダメって分かるなんてえらすぎる。
ぎゃんかわ。
「Aさんなに書いたんですかねこれ」
ちっちゃいAさんが描いた絵を横から樹が覗き込んできた。
ボールペンで描かれた絵は3人の人間(らしき生き物のようなもの)。
「……これ、家族じゃないっすか？」
確かに、言われてみればそう見える。
Aさんの家族事情を知ってるのはスリボだけ。
パフォーマーはニコニコ微笑ましそうにしてるけど、スリボの間には何となく複雑な空気が流れていた。
小中高アメリカで過ごしたって言ってたから、3歳のAさんはまだ日本語だったんだ。
納得納得。
それにしても、Aさんはママに会いたいとかならないもんなのかな。
今のところママとかパパとかそういう単語は1回も出てきてない。
なんでだろ。
なんとなく、まだなにかあるんだろうなぁとは思った。
「……あ、Aさん起きたで」
「あぅ、かずま、」
「ぐふ、……」
「壱馬殺られた」
Aさんが疲れちゃわないように、さっさと寮に帰宅。
寮でも、元気が有り余ってる最年少たちとキャッキャしているAさん。
最高に可愛い。
多分怒られるけど、さすがに撮影しない訳にはいかない。
LIKIYAさんがつくったご飯は、Aさんがスプーンで食べやすいようにオムライスだった。
LIKIYAさん優しい。
問題はこの後。
そう。
お風呂だ。()
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作者名：L
| 作成日時：2020年4月19日 18時
