彼とわたし。3《黄》 (ページ44)

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(Hikaru side)

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多少はお酒のせいとはいえ、

こんな空気になったこともなかった。

だから、このまま終わりたくない。

『A、』

グラスに注いだ水を飲み終えた彼女の名前を呼んで

キッチンに立つ背中を抱きしめる。

「…ごめん、さっき、変なこと言って」

『ううん、俺も、Aに嫌な思いさせた』

「…照くんは、そんな人じゃない、って、

、、わかってるから…大丈夫」

『…でもさ、A、』

抱きしめた腕を離して、こちらを向けて

しっかりと彼女の方を見つめる。

少し酔いは覚めたみたいだけど、

まだ少し潤んだ目の彼女を見つめて話す。

『…酔ってるとか酔ってないとか、関係なくて、

俺は、死ぬほどAのこと好きだから。』

「、、ふふ、知ってるよ」

私も死ぬほど好き、と不安が無くなった瞳で

俺の事を見つめる。

そんな彼女をぎゅっと、強く抱きしめると

同じくらい全力で抱きしめ返してきた。

思ったこと言いすぎるのも、よくないけれど

純粋な気持ちはちゃんと伝えないとな、と

実感した時間。

(fin)