彼とわたし。3《黄》 (ページ27)

今日:19 hit、昨日:69 hit、合計:442,267 hit

・ページ27

(Hikaru side)

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

…あれ、俺、知らないうちに寝落ちてた

枕元の時計を見てみると、昼過ぎ。

相変わらず雨は降っているけれど

さっきみたいな酷い頭痛も、

言葉にできない気持ち悪さも治まっていた。

手元の温もりに視線を移せば

俺の手を握ったまま

ベッドに顔を伏せて眠っている彼女。

Aの仕事が休みだったことが、俺の救い。

朝起きた時から服も変わってない。

本当に、ずっといてくれたんだ。

俺って愛されてるんだ、なんて実感が湧く。

ラクになった身体を起こして、

彼女が俺にしてあげたみたいに

ふわ、と頭を撫でる。

その手をそのまま移動させ、彼女の頬に触れれば、

んぅ、と少し反応した。

やべ、と思った時にはもう遅い。

「えっ、あれ？、、、寝ちゃってた、」

『おはよ』

「もう大丈夫なの？」

『うん、ラクになったよ』

大丈夫、と伝えれば安心した様子。

『ずっと握っててくれたの？』

未だに離れない手を見せながら聞いてみる。

「だって、

照くんが勝手にいなくなるなって言うから。」

彼女のその言葉に、思わず頬が緩んだ。

俺が笑ったのを見て、えぇ、何？と

不思議そうな顔をしている。

あぁ、やっぱり俺、愛されてるんだな。

つらい時間でも、たまらなく幸せに感じた。

(fin)