彼とわたし。3《黄》 (ページ26)

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『ホットタオル、使う？』

「…ん〜…」

微妙な返事だから、たぶん、どっちでもいい

ってことだろう。

『早く雨止むといいね』

「うん、、」

相変わらず頭は痛むみたいで、

時折、つらそうに顔を歪ませている。

薬も効いてくる頃だろうし、

寝かせてあげたいけれど、寝られないみたい。

「、、だめだよ、勝手にいなくなったら」

『そんな泣きそうな顔しないでよ、

ちゃんとそばにいるから、』

私のいる方に身体を向けて目を瞑っていたのに

優しく頭を撫でていたら、

目を開けて急にそんなことを言ってきた。

いつもの甘えてる姿勢が更に増して、

私のもう片方の手を握って離してくれなそう。

強く握ってあげても、やっぱり照くんの手の方が

ずっと大きくて、私が安心してしまうくらい。

やっぱり、少しでも温もりを肌で感じると

安心感が違う。

ゆっくり休めるように

頭を撫でていた手を彼の目元に持って行って

完全に光を遮断してあげる。

ホットタオルでも良かったんだろうけど、

なんとなく、彼はこの方が落ち着く気がした。

すると、数分したら握っていた手の力が

少し弱まって、規則正しい寝息が聞こえてきた。

顔色も、少し良くなっている。

早く、治まるといいね。

そんなことを思いながらもう一度頭を撫でて

時間も忘れるくらい彼の寝顔を見つめていた。