彼とわたし。3《黄》 (ページ15)

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今から帰る、という彼からのメッセージに既読をつけ

準備していた夕飯を仕上げる。

喜んでもらえるかな、

少し緊張しながら、待っていれば、

ガチャガチャと玄関が開く音。

今やお互い家にいても、もらった自分用の鍵で

解錠するのも習慣化してきた。

パタパタとスリッパの音を鳴らして、

お出迎えする。

『おかえり』

「ただいまぁ」

へら、と嬉しそうに笑って、いつものように

何をするより先に、私を抱きしめる。

私より20センチも高い背。

胸に顔を埋めると

照くんの、柔軟剤と香水のふたつの

香りに包まれてる気がして

幸せでたまらなくなる瞬間。

照くんは見下ろして私を見る。

私は見上げて照くんを見る。

ふふ、と微笑みあってから、

手を洗いに行く彼と、

夕飯の盛りつけのためにリビングに戻る私。

「うわ！めっちゃ美味そう！」

いい匂いする、と言いながら

リビングに戻ってきた彼は、

目をキラキラさせて、並べられた料理たちに

興奮している。

いただきます、と2人で手を合わせて

料理を口に運ぶと、自分も納得できる出来。

「めちゃくちゃおいしい！」

『ふふ、良かった。』

彼の言葉にホッとして、2人で楽しく食卓を囲む。

今日あったこと、美味しそうなスイーツの話。

良かった音楽の話。

照くんといると、

大事なことからくだらないことまで会話が尽きない。