教えて、先生。 (ページ8)

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｢さっきはどうしたの？心配したよ、隣でいきなり倒れるんだもん｣

｢いや～、頭痛が酷いと思ったら意識飛んじゃって｣

｢何それ！ていうか、A覚えてない？｣

｢なにが？｣

エリの浮かべる不敵な笑みに首をかしげて聞き返すと、エリは言った。

｢A、イェソン先生にお姫様だっこされてたじゃん。｣

｢…へ？｣

イェソン先生が。
お姫様だっこ？

｢えぇぇぇー!?!?｣

耐えきれなくなって、大声を出してしまった。
みんなの視線がこちらを向く。
うわ、やっちゃった。

｢Aどうした？転校初日からぶっ飛びすぎだぞお前。まあ体調はずいぶん良くなったみたいだな｣

ヒチョル先生の軽口に、みんな笑い声を上げる。

｢す、すみません…｣

慌てて席につくと、エリが眉をひそめていた。

｢ちょっとA、そこまで大声上げなくても…｣

確かにイェソン先生はかっこいい方だけどさぁ、なんて一人で話すエリそっちのけで、私は彼を思い出していた。
みるみるうちに顔がカーッと熱くなる。
きっとこれは、クラス全員に注目された恥ずかしさからのものではないはず。

『無理しないで。辛い時はいつでも来なさい？』

イェソン先生の言葉が、ずっと頭をぐるぐる駆け回っていた。

＊＊

｢ただいま～…｣

今日は疲れた一日だった。
まぁ、いいこともあったけど。
ふと、お兄ちゃんのものじゃないローファーがたくさん置いてあることに気付く。

え？誰か来てる？

耳をすませると、向こうから話し声が聞こえる。
恐る恐るリビングに足を踏み入れると、話し声がぴたりと止まった。
見渡すと、お兄ちゃんが4人くらいの男の子に囲まれていた。

ど、どういうこと。うちの学校の制服だけど…

混乱している私に、お兄ちゃんが飛びついた。

｢A！今日倒れたでしょう！大丈夫!?｣

｢え、だ、大丈夫だけど｣

お兄ちゃんはすごく心配しているみたいだったけど、私はそれよりも男の子たちが気になる。
それを察したように、男の子の一人がお兄ちゃんに声をかけた。

｢イーシン｣

｢え？｣

お兄ちゃんは困惑した私の表情を見て、肩にかけていた手を緩めて言った。

｢A、この人たちはお兄ちゃんの新しい友達だよ｣

｢へ、友達？｣

す、すごいお兄ちゃん。
登校初日でこんなに友達作っちゃうなんて…

｢｢｢｢こんにちは｣｣｣｣

よく見たら、みんな美形だ。
さすがお兄ちゃんの友達。