教えて、先生。 (ページ31)

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「…あー、謝って損した」

「はあ！？どういう意味だよ！…ってか、顔色悪くね？ほんとに大丈夫か？」

「んなっ…大丈夫だよ」

ベッキョンにまで言われてしまった。
急いで離れようとすると、エリがここぞとばかりに口を挟む。

「ベッキョーン、この子体調悪いのに、ずっと無理して授業受けてるの。今にもぶっ倒れそうだから、保健室連れて行ってあげてよ。保健委員でしょ？」

「ちょ、エリ！いいってば！」

慌てて振り返ったとたん、頭がぐわんと揺れた。
足元が揺れたような感覚で、思わずよろけてしまう。

「わ、あぶね。」

ハッと気付くと、ベッキョンの腕の中。
うわ、まさか私、ベッキョンとハグしてるみたいな体勢になってる？
うわうわうわ。
今すぐ胸を突き飛ばして離れたかったけど、そうする元気もなかった。

「うわ、これはよっぽどだわ。分かった、この俺が保健室まで連れてってやんよ」

「ん、よろしくー」

「…いいってば…」

「や、俺に抱かれたまんまで離れないなんて、そんな元気もないぐらい体調悪いんだろ。いつもだったらすぐ突き飛ばすもんな。無理すんな」

「…う」

図星。

「おら、行くぞー」

「えっ、わ、ちょ、んぎゃーーーーっ！？！？」

ふっと身体が浮いて、やっとベッキョンにお姫様抱っこされてることにやっと気づく。
大声を出したら余計気力がなくなって、もう動けなかった。
周りの人の視線を感じながらも、私にはベッキョンに顔をうずめてやり過ごすしか道はなかった。

＊＊

「失礼しまーっす」

ああ…とうとう来てしまった。
しかも、先生にこんな姿見られちゃう。屈辱。
ベッキョンがドアを開けると、いつもみたいに真っ白な白衣に身を包んだ先生が、黙々と仕事をしていた。
抱きかかえられている私を見るなり、目が丸くなる。

「どうしたの？」

「なんかかなり辛そうなんで。連れてきました。よろしくお願いします。んじゃ、失礼しましたー」

そっとベッドに下ろされる。
5発くらいは彼を殴ってやりたかったけど、そんな力はなかった。
座り込んでぐったりしていると、心配そうな顔で先生が近寄ってきた。

「…ほんとに具合悪そうだね。今日はどうしたの？」

「…え、と」

ああああ！！言いたくない！！言いたくない！！
でも言わなきゃ…先生、怪訝に思っちゃう。
私はゆっくり口を開いた。