教えて、先生。 (ページ14)

今日:11 hit、昨日:2 hit、合計:35,486 hit

013 ページ14

｢お前、式の日も倒れてたよな｣

｢え？…うん、まあ｣

｢体弱いの？｣

誰もいない廊下。
ベッキョンくんの背中で揺られながら、言葉を返す。

｢…別に？ただちょっと、すぐ頭痛とか目まいとかするだけで｣

｢それを体弱いっていうんじゃねーの？｣

｢うっ…｣

正論。言い返せない。

｢まあ安心しろよ。仕事熱心で有名なこの俺が保健委員なんだからさ｣

｢いや、知らないし。｣

なんだこれ。何のボケだよ。

｢あー…お前、図書委員だっけ？｣

｢うん｣

｢図書担当のイトゥク先生さ、この学校で年上のほうだからあだ名がじいちゃんなんだよ。じいちゃん先生。
それでも滅多に怒らないし、何だかんだ優しいからさ。｣

｢へー、そうなんだ｣

｢…あ、そうだお前部活は…｣

｢っ…ちょっと、あのさぁ｣

質問ばかりしてくる彼に不満をぶつけようと口を開いたけど、ふと思いとどまった。
もしかして、一生懸命話を振ってくれてる？
沈黙が流れて、お互い気まずくならないように？
…まさかね。
クラスのムードメーカー的存在のアホキャラ、ベッキョンくんが、そこまで人を気遣えるかと問われたら、頷けないのが本当のところだ。
とりあえず、不満を言うのはやめておいた。

｢…部活は、まだ決めてない｣

｢へー。俺さ、ダンス部なんだけど、部員全員いい人で、気が合うんだ。
入部しろとは言わないけど、今度見学に来ねえ？かっこいいベッキョンさまの姿見せてやる！｣

｢あ、私のお兄ちゃん…イーシンって言うんだけど、先輩方に勧誘されたって｣

｢そういえば言ってたかも！｣

その後も会話は弾んで。
気づくと保健室の前だった。

｢あ、ついた。失礼しまー…｣

私を背負ったまま片手で扉をノックする彼。
そこで私は我に返った。

同級生におんぶされてる姿なんて、イェソン先生に見られたくない！！

何でかって聞かれたら、理由ははっきりと答えられないけど、とにかくやだ。

｢ベッキョンくん、下ろして｣

｢え？てか呼び捨てでいいって｣

｢じゃあベッキョン。もういいから、大丈夫だから下ろして｣

｢でも｣

｢いいの！いいからおーろーせー｣

ベッキョンの背中で暴れていると、ドアが開いた。