ひとりぼっちな女の子と雪男

喫茶店 ページ10

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『お疲れ様です』

奥｢あらAちゃん、おかえり〜｣

マ｢今日から新学期だっけ？どうだった？｣

『普通ですよ』

奥｢イケメンと同じクラスになったりした？｣

『イケメン…』




そういえば目黒くんって結構イケメンだよね。
女の子たちが声かけてくるくらいだし。




『まぁ…』

奥｢え？！どんな子？！｣

『えっと…髪が黒くて、身長が高いです』

奥｢やだ！正統派イケメンってこと？！｣

マ｢大体の男子高校生ってそんな感じじゃないか？｣

『確かに正統派かもしれないですね』


奥｢いいな〜私も会いたいわ〜｣

マ｢イケメンならここにもいるだろ？｣

奥｢あなたは黙ってて｣

マ｢…｣


『…マスターはイケメンというよりダンディって感じじゃないですか？』

マ｢だよね！？さすがAちゃん、分かってるね〜！｣

奥｢Aちゃん、この人すぐに調子に乗るから無理して言わなくていいのよ？｣

『はは…』





このご夫婦は私がバイトをしている喫茶店のマスターとその奥さん。

2人が営む喫茶店はレトロ感溢れる昔ながらの純喫茶で、お客さんとして初めて訪れた時に落ち着いたこの雰囲気とマスターこだわりのコーヒーに一目惚れした。
そこからほぼ毎週通い続け、すっかり顔馴染みとなった頃、アルバイトをしないかとお誘いを受け現在に至る。

2人は本当に優しくて、私のことを娘のように可愛がってくれる。
バイトを始めたばかりの時、上手く接客ができなかった私に2人が丁寧に教えてくれた。
今ではある程度上手くできるようになったと思う。

お世話になりっぱなしで、感謝してもしきれないくらい。




よし、今日もがんばろう。



バイトの制服に着替えて準備をする。

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