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…………このまま部屋に戻っていいのかな。
私、みんなにお礼言ってない。
みんなの顔を見てちゃんと言わなきゃ。
メッセージとか電話じゃなくて、直接。
今、言わなきゃ。
『………待って！』
佐｢およ？｣
深｢どうしたの？｣
向｢なんか忘れもんでもあったん？｣
『あ、あの…』
渡｢落ち着けって｣
目｢そんな焦んなくてもいいよ｣
すぅっとゆっくり息を吸って、整える。
『えっと、送ってくださってありがとうございました。…あと、いろいろご迷惑おかけして、すみません』
岩｢いや、別にそんな…｣
『いえ。岩本先輩と阿部先輩が助けてくれなかったら、私みんなとこうして帰ることなんてできなかったかもしれない…』
『もう逃げられないかもって、動けなくなってたから…………本当はもっときちんと感謝しないといけないんですけど…』
『……それなのに、私、先輩の優しさ、拒絶しちゃった…』
阿｢っ！Aちゃんそれは違うよ！｣
『違わないです。先輩だけじゃなくて、男の人ってだけで怖くなってるんです』
『…分かってるのに、みんな優しくて、良い人達だってよく分かってるはずなのに…』
なんだかまた視界が悪くなってきた。
さっき治ったはずなのに。
『その優しさを受け取れない今の自分が悔しくて…』
『いつもみんなに救われてるのに、何も返せない自分が情けない』
[………]
どんどん視界が滲んでくる。
『それでも、みんなと離れるのは、嫌です…』
[っ！]
『都合のいいことを言ってるのは自分でもよく分かってます』
『だけど、みんなが来てくれた時、すごく嬉しかった』
『…いつもよりみんなと距離を感じたのが、寂しかった…』
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作者名：ぽてと | 作成日時：2022年11月30日 18時
