猫拾いました。【ybin】 (ページ26)

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#26 ページ26

yb side

─ けいがいなくなった、

その連絡が入ったのはそろそろ光の家に着くだろうという時
慌てて法定速度内で車を飛ばした

光の家に着くなりドアを開ける
そこには焦っている光がいた

光｢薮っ、ごめん、俺が目離したからっ…｣
「光は悪くないから、大丈夫」

ぐずぐず泣いている光をなだめる

「思い当たることは？」
光｢…こんな雨の日は、薮とあった日を思い出すって…｣
「わかった、ありがとね光」
光｢あと、そこの窓が開いてた、｣

震える手で指を指す光
明らかに成人男性1人が通れる隙間

「…俺行くわ、1週間ありがとな光！」
光｢見つけたら連絡して、｣
「当たり前だろ」
光｢待って、これけいのタオル｣
「サンキュ、」

俺は光の家を後にした

雨はますます強くなっていく
ワイパーはもはや意味を為していない
こんなので人探しも無理か、
車を家に止めて、歩きで探すか…
車を車庫に止め傘を差す
1歩出ようとした時微かに猫の鳴き声がした

「…けい？」
『にゃー、』

けい、─ 猫の姿をしたけいは玄関で丸まっていた
寒さで凍えている

「けいっ！？大丈夫か、聞こえるか？」
『、にゃー、』
「ちょっと待ってろ」

優しく抱き上げ家の中に入れる
腕の中のけいは俺を見上げ小さくにゃーと鳴いた

「ふふ、もう俺が来たから大丈夫、」
『…にゃ、』
「あ、今笑ったな！？」

そのままお風呂場に直行
お湯で軽く洗いタオルで包む
もちろんけいが大事にしているタオルで

「よいしょっと…」

そっとベッドの上にのせる
すぐにけいは丸まった

「じゃ、俺着替えたりとかしてくるからゆっくりしてな？」
『にゃ、』
「もし人に戻ったらこれ着てね、」

近くに服を置き俺は寝室を出た
ボーッとテレビを眺めていると膝の上にけいがのってくる

「あれ、お前寝ないの？」
『にゃー』
「わかったよ、ここに居ていいから」

安心したように目を閉じるけい
そっとその背中を撫で続けた

光まだ見つからないの?
薮ごめん、だいぶ前に見つかってました…
光おい!早く連絡しろよ!