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kei side
薮が電話から帰ってきたと思ったらめちゃめちゃ機嫌悪そ、
『薮おかえり、どうしたの?』
「…けい、」
『ん?』
「俺さ、1週間出張行くことになった」
『…え?』
「なぁ光、1週間けいお願いしてもいい?」
光「俺はいいけど、けいは…」
2人の目がこちらを向く
『出張ってなに?』
「ちょっと遠くの所に仕事しに行くの、泊まりで」
『薮いないの?』
「そうだな、」
『帰ってくるよね?』
薮は絶対大丈夫、
そう思ってもやはり心配になってしまうのは人間への不信感か
「大丈夫、絶対帰ってくるから」
『…光に頼んで毎日電話するから』
「それはもちろんだよ、俺もしようと思ってたし」
『いつから?』
「それがさ、明日からなんだよ」
光「は!?準備は、」
「今からするしかない」
『え〜!』
光は立ち上がって小さめの鍋を持ってきた
具材をその中に入れる
光「ほら2人分、持って帰れ」
「ごめん光、ありがとう…」
光「気にするなって、頑張れよ」
俺と薮は光の部屋を後にした
家に帰っても薮はずっとバタバタしている
仕方なくソファで小さくなって邪魔しないようにしていた
寂しいな…
「けい?」
『…なに?』
薮は俺の隣に来てそっと背中を撫でてくれる
薮の手、暖かくて安心する…
でも俺は素直になれない
『準備、したほうがいいんしゃない?』
「大丈夫だよ、もう出来たから」
目の前に広がっている開いたままのスーツケース
どう見ても終わってない、のに
薮は俺に抱きついてくる
「1週間けいに会えなくなるから、充電」
『…なにそれ、』
「よかった笑ってくれた」
そっと身体が離れる
ほっとしたような薮の顔
俺は気づいたら頬が緩んでいたらしい
…今なら、言えるかも
『薮、寂しいよ』
「うん、俺も寂しい」
『…薮』
「大丈夫だよ、絶対帰ってくるから」
優しく頭を撫でてくれる
泣きそうになったのを必死に隠した
『薮、準備!終わってないでしょ?』
「え、バレてた?」
『当たり前じゃん、』
「…だってめんどくさいもん」
『仕方ないなー、けい様が手伝ってあげよう!』
「まじ!?ありがとう!」
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作者名:梨衣亜 | 作成日時:2020年3月19日 23時