大好き ページ10
.
「………あ？」
「勝己ぐうううう……！！！」
涙を余すことなくこぼし続けるAに
ギョッとすれば、
ガキがぐずるような声で
俺をぎゅうぎゅうと抱き締めた
「っ離せてめ鼻水つくだろうがァ！！！！」
「大好き」
.
.
.
「………、…大好き、……勝己くん」
「……………、は、…………あ………？」
.
大好きだよ、と笑った彼女が
酷く、綺麗だった
涙で腫れ上がった目元が、
俺の背中へと回して
しがみつくように掴む彼女の手が
俺の首筋に擦り寄るAが、
.
愛しかった
.
.
「………は、…………」
.
「はあああ！！！！！？」
齢16歳、
遅すぎる初恋の自覚に、
眼の前のAは呑気にも泣き疲れて眠っていた
.
.
you side
「勝己くん？」
「っせえ！！！！死ね！！！！」
最近勝己くんの様子がおかしい、
話しかければ死ね、
肩を叩くも死ね、
目の前に立てば死ね、
「勝己く……」
「死ね！！！！！！」
.
「どうしよう……デク………」
「は、はは……それは…
…僕にもわからないなあ…」
林間合宿楽しんできてね、と
涙目で叫ぶ三奈ちゃんや上鳴くん達に
相澤先生の合理的虚偽による
どんでん返しが言い渡され、
晴れて全員が林間合宿へ行けることになった
.
曇った表情を見せる私に、デクが苦笑をこぼす
勝己くんがあれから
目も合わせてくれないのだ
いつもなら逆の立場なはずなのに、
「(……また、気色悪いと
思われてしまったんだろうか)」
つい、言ってしまった
幼馴染としてなら、と気が緩んでいたのか
大好き、そう口にしていた
.
「明日休みだしテスト明けだし…
…ってことで！A組みんなで買い物行こうよ！！」
すっかり盛り上がっていた生徒達に
透ちゃんが提案をもちかけると、
いいな！それ、と上鳴くんが笑う
「爆豪！お前も来い！」
「行ってたまるかンなもん、かったりぃ」
.
「(勝己くんは行かないのか………、)」
少ししょんぼりとした私に気付くと、
お茶子ちゃんがこちらへと近寄ってきた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 537人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てな(プロフ) - りんごあめさん» ひぇぇ恐縮です…！(/ω＼)ありがとうございます！嬉しいです(゜▽゜) (2018年6月23日 0時) (
レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 素敵なお話ですね。 私ぼろぼろ泣きながら読んでました｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2018年6月23日 0時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 伯劉りきさん» こちらこそ嬉しいコメントありがとうございます！無事ハッピーエンドで終われて良かったです…！ (2018年6月11日 17時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
伯劉りき(プロフ) - 二人が幸せそうでなんだかこっちが嬉しくなるような最後でした！素敵な小説有難うございます！！！ (2018年6月11日 14時) (レス) id: 7be96a6a2f (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - ニンピニンさん» しょうぜんっす！！難しくて申し訳ないです＞＜ (2018年6月4日 22時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：てな
| 作成日時：2018年4月28日 22時
