ヒーローとは ページ31
.
「………」
最悪の目覚めだった
瞼は鉛のように重たいし
口内は乾燥して喉も痛い
何より、目を開ければ
ほぼクラスの面子が揃っていた
「Aちゃん！！…」
「………」
少し涙目で笑うお茶子ちゃん
.
たった一人、彼の姿があれば
こんなにも心配してくれる友達が
いっぱい出来たということが
どれほど喜べただろうか
彼がいないだけで、私の感覚は狂ってしまうのだ
「……」
「A、ちゃん…？」
ズキンズキン、と頭が音を立てるように痛む
隣のベッドに横たわるデクが
怪訝そうに名前を呼んでくる
暗闇に落ちていく意識のなかで、
嗚咽を漏らす自分の泣き声が聞こえてきた
.
.
deku side
『朝原さんの場合、
身体的なダメージというよりは
内面的なダメージといった方がよろしいかと』
顔色の悪い様子で眠るAちゃん
一度は意識を取り戻したものの
やっぱりまだ受け入れられないらしい
Aちゃんにとって、
かっちゃんは己の生きる糧そのものなのだ
小さい頃からかっちゃんだけを追いかけてきた、
そのかっちゃんが敵連合に攫われてしまえば
Aちゃんは＿＿＿…
「…………、…」
.
.
you side
「何処へ行くつもりだ」
「………」
背後から鋭い声が届いて
ゆっくりと振り返れば
堅苦しいスーツに身を包んだ相澤先生がいた
「……お前は外出禁止令が
病院から出されている、勝手な行動は慎め
……爆豪は、プロヒーロー達が必ず救出する」
病院室で
私を睨む相澤先生は、
明らかに怒っていた
.
それでも、私は
.
「………、…梅雨ちゃんが、
…言っていたん、です」
「ルールを破るというなら、
その行為は敵のそれと同じ、」
叱責に答えず突発もなく
私が狸寝入り中に梅雨ちゃんが
言っていた言葉を呟けば
相澤先生は黙ってそれを聞いている
「………ヒーローとは、なんなんでしょう、か」
.
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てな(プロフ) - りんごあめさん» ひぇぇ恐縮です…！(/ω＼)ありがとうございます！嬉しいです(゜▽゜) (2018年6月23日 0時) (
レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 素敵なお話ですね。 私ぼろぼろ泣きながら読んでました｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2018年6月23日 0時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 伯劉りきさん» こちらこそ嬉しいコメントありがとうございます！無事ハッピーエンドで終われて良かったです…！ (2018年6月11日 17時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
伯劉りき(プロフ) - 二人が幸せそうでなんだかこっちが嬉しくなるような最後でした！素敵な小説有難うございます！！！ (2018年6月11日 14時) (レス) id: 7be96a6a2f (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - ニンピニンさん» しょうぜんっす！！難しくて申し訳ないです＞＜ (2018年6月4日 22時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てな
| 作成日時：2018年4月28日 22時
