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ーー組織が壊滅し、俺は無事元の体に戻った。
「久しぶりだなボウヤ。暫く見ないうちに背が伸びたか?」
「ボウヤはやめてくださいよ…もう江戸川コナンじゃないんですから。というか、赤井さんアメリカに戻ったんじゃないんですか?」
「まだ片付けてない仕事があるんでね」
久しぶりの我が家で休日を満喫していれば、大学院生の面影はすっかり無くなったFBIの捜査官が来訪してきた。
組織の掃討作戦では大活躍を果たした凄腕スナイパー、赤井秀一だ。
「俺の予想では今日辺りに訪ねてくるだろうと思っていたんだが、まだ来ていないようだな」
「……何の話?」
「物騒な未亡人のことさ」
「…………だから何の話?」
いつにも増して楽しそうに笑う赤井のことが全く理解不能だった。首を傾げて何度も問おうが赤井は答えてくれない。
任務を終えた赤井が日本に残る理由。それと何か関係があるのだろうか。
ーーそう推測したところで、ピンポーンと聞き慣れたインターホンの音が鳴った。
(蘭は空手の合宿中だし…母さんも父さんもロスにいるはず)
少年探偵団の奴らはもう来ない。灰原や博士も解毒薬の発明で忙しいだろう。
「……今開けます」
怪訝な表情のまま玄関に向かう。
扉を開ければ、すらりとした女性が目の前に立っていた。その女性には見覚えがあったが以前会った時とはだいぶ印象が違う。
そもそもその”以前”というのは、俺が江戸川コナンだった頃だ。
「…久しぶり、コナン君。ここに赤井秀一はいますか」
「………え」
どうして彼女は俺をその名前で呼んだのか。どうして彼女が俺の正体を知っているのか。初めて会った時も謎の多い人間だとは思っていた。
それにこの女は、かつて沖矢昴として居候していたこの家に”赤井秀一”がいると踏んでやって来たのだ。
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モミジ(プロフ) - この作品、最高です!この作品を読んで感動して泣きました。新作も読んで見ます!これからも応援しています! (2019年5月5日 16時) (レス) id: d4cb7d7d86 (このIDを非表示/違反報告)
ringo6349(プロフ) - こんばんは!完結おめでとうございます!ずっと私の中で物語を完結させたくなくて読めなかったのですが読めてよかったです。今回もとても素敵で好きなお話でした。本当にてなさんの書かれる物語が大好きです!忙しいので時間はかかるかもしれませんが新作も絶対読みます (2019年4月26日 22時) (レス) id: 66d3f8785b (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 華さん» 嬉しい限りでございます…複雑な心境を書くのがすごく難しかったです。コメントありがとうございますー!! (2019年3月29日 14時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - すごいです…。私、占ツクの小説で泣いたの、初めてです。夢主の悲しみとか嫉妬心とかが分かりやすくて、一気に読んでしまいました。完結おめでとうございます!! (2019年3月28日 21時) (レス) id: 1c08efcab1 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 蓮-Ren-さん» ありがとうございます!そう言っていただけると凄く嬉しいです…(´∇`) (2019年3月27日 13時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てな | 作成日時:2019年3月21日 16時