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「少し前に、国際的犯罪組織の掃討作戦で…降谷さんは殉職しました」





ーーーー…あれから一年ほど経っただろうか。

ペット可のアパートを探し回りやっと見つけた新居。最初の来客は眼鏡をかけた堅苦しい警察官だった。それも最悪なニュースを持って、




「貴方に知らせない訳にはいかなかったので…いくら離婚したとはいえ、数少ない”本当のあの人を知っている人間”ですから」

「死因は、何だったんですか?」

「……流れ弾が急所に当たった…と、
その時一緒にいた捜査官から聞いています」




事を話す風見と名乗った警察官の顔色はあまりよくない。降谷の元部下だったらしい。よほど彼のことを尊敬していたのだろう。




「……その捜査官に話を聞くことは、可能ですか」

「は、?」

「可能ですかと聞いているんです」




そう問いただすと、風見はずり落ちた眼鏡を直して「確認しておきます」と狼狽えたように返事をした。




「……遺体はどうなったんですか」

「敵の狙撃範囲内だったので回収は暫く不可能でした。その後爆発に何人かが巻き込まれて…身元が確認できる状態では、なかったんです」




巻き込まれた数人の中に、降谷がいたというわけか。

風見はずっと心苦しそうに彼の最期を話していた。私はそれを泣きもせず笑いもせず、彼の眼を見つめながら一言一句漏らすことなく聞いていた。





「……では、そろそろ自分は失礼します」




出したお茶は一切飲もうとしなかった。玄関に向かい、靴を履いたところでぺこりと一礼した風見に「あの」と声をかける。





「捜査官の、名前を…教えてください」

「………」







「ーーーーーー…FBI捜査官。赤井秀一です」




長い間忘れていた感情。初めて姉を殺した真犯人を目の当たりにした時と、似ているようで全然違うもの。

私は静かに湧き上がってくる憤怒の気持ちに目眩を覚えた。

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モミジ(プロフ) - この作品、最高です!この作品を読んで感動して泣きました。新作も読んで見ます!これからも応援しています! (2019年5月5日 16時) (レス) id: d4cb7d7d86 (このIDを非表示/違反報告)
ringo6349(プロフ) - こんばんは!完結おめでとうございます!ずっと私の中で物語を完結させたくなくて読めなかったのですが読めてよかったです。今回もとても素敵で好きなお話でした。本当にてなさんの書かれる物語が大好きです!忙しいので時間はかかるかもしれませんが新作も絶対読みます (2019年4月26日 22時) (レス) id: 66d3f8785b (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 華さん» 嬉しい限りでございます…複雑な心境を書くのがすごく難しかったです。コメントありがとうございますー!! (2019年3月29日 14時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すごいです…。私、占ツクの小説で泣いたの、初めてです。夢主の悲しみとか嫉妬心とかが分かりやすくて、一気に読んでしまいました。完結おめでとうございます!! (2019年3月28日 21時) (レス) id: 1c08efcab1 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 蓮-Ren-さん» ありがとうございます!そう言っていただけると凄く嬉しいです…(´∇`) (2019年3月27日 13時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てな | 作成日時:2019年3月21日 16時

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