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you side



「あ、……むろ、さん…?」



ちゅ、とリップ音を鳴らして彼の唇を
解放してやると同時に、背後から自分達を
茫然と見つめるギャラリーに目がいった。


帝丹高校の制服を着た女の子と、
蝶ネクタイをつけた子供。
毛利探偵事務所に住んでいる子達だ。



彼は全く焦りを見せることなく
ポケットにスマホを仕舞った。




(来て正解だったわ)




必ず私の素性を調べるに違いないと踏んでいた。
盗聴される心配がないここで、
いち早く部下に連絡しようとしたのだろう。



茶髪のウィッグを被り、いつものメイクではなく
明るいピンクのリップをつけて
わざわざ新しい服まで用意したのだ。

優しくて温厚な紳士安室透が、いかにも
好きになりそうなゆるふわな格好である。




「この人、誰…?」

「さ、さあ……」




「ねえ透くんの知り合い?」

「……」

「ね・え」



怪訝に私達を見据える二人をわざとらしく指さして
隣で頭を悩ます優男の腕にくっつく。
そして催促するように彼の顔を見上げた。


やがて観念した彼が取り繕いの笑顔を浮かべ「ええ」と
恋人に向けるような柔らかな眼差しで頷く。




「この子達は上に住んでいる
毛利先生の娘さんと、居候している子だよ」

「は、はじめまして…毛利蘭といいます」


「僕は江戸川コナンっていうんだ。

ねえねえお姉さん、さっき安室さんと
キスしてたよね?二人は付き合ってるの?」




彼らとは初めて会う設定だ。

コナンに可愛らしく駄々をこねるように
教えて教えてとせがまれ、「実はね…」と
恥じらいを見せるように彼の体へ更に身を寄せる。




「透くんとは遠距離恋愛だったの…でも
最近米花町に引っ越してきて。それで
サプライズで彼を驚かそうと思ったんだけど…」




「連絡を取る前に偶然会っちゃって〜!」と嬉しげに
笑えば、驚愕している安室が「よくもそんな嘘を
ぬけぬけと」と言いたげな視線を静かに寄越した。


弄りやすい男である。

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てな(プロフ) - 華花。さん» 嬉しみ深いお言葉感謝です…!!ふりゃさんの複雑な心境をなんとか表現していきたいです(願望) (2019年2月15日 22時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 御影さん» ああありがとうございます…ようやく旅行から帰れたので更新進めて行きたいと思っております! (2019年2月15日 22時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - てなさんの作品大好きすぎてもうてなさん無しでは生きられない体になってしまってます(キモい)これから2人がどうなっていくのか…楽しみにしています! (2019年2月11日 23時) (レス) id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)
御影(プロフ) - な、泣ける……。゜(´∩ω∩`)゜。先が気になるがとりあえず今日は寝ます。 (2019年2月10日 22時) (レス) id: 0f64e64eef (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - シャラさん» コメント誠にありがとうございます!過去の作品まで見てもらえて感謝感激でこざいます…(*゚▽゚)かっこよい零くんを書くのが至福です!更新まったり頑張らせていただきます!! (2019年2月4日 0時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てな | 作成日時:2019年2月1日 22時

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