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Beginning ページ2

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「『怪盗アイリーンまたも参上』
『キッドが狙う獲物を横取りか』
『その正体は謎に包まれたまま…』」



……ろくな記事がない。
開いていた新聞を床に投げ捨てた。


どいつもこいつも素顔を明かさない私を
随分好き勝手言ってくれる。
紫煙を吐き出せば視界が僅かに霞んだ。




「……あと、いくら盗もうか」




プランは既に出来上がっている。
シナリオも完璧、残るは最も重要である"役者"。

最高の舞台になりそうだ、と
一人片方の口角を歪めながら
煙草を灰皿にぐしゃりと押し付けた。





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side F


「ったくよォ!!今年で何件目だこりゃあ」



たった今速報が入りました、と
アナウンスを告げたニュース番組に
毛利先生が缶ビール片手に愚痴を零した。


先生が大好きな野球観戦が
突然臨時ニュースへと切り替わったらしい。




「安室さんはご存知ですか?」

「ご存知、とは」

「怪盗アイリーンですよ!
最近すっごい話題になってて…」



どこか楽しそうに蘭さんが聞いてきて、
咄嗟にとぼけるような回答をしてしまった。
捜査外とはいえ流石に悪党の名前ぐらい把握している。



「蘭姉ちゃんはキッドより
アイリーンの方が好きだもんね」

「それはまあ…だって、あーんな変態より
よっぽどマシだと思わない?コナン君」


「……怪盗、アイリーンですか」




あの怪盗キッドに並ぶ天才的な女怪盗。

シャーロック・ホームズに登場する
アイリーン・アドラーの名前から
もじって付けられた呼び名だ。




『えー…速報です。怪盗アイリーンのものと
思われる予告状が届いたようです』




顔を覆い隠す黒いベール。そしてうっすらと
垣間見える血のように赤く色付いた唇で
男を虜にして金を頂く神出鬼没の大怪盗。





(……だが、)





決して彼女はただの馬鹿な泥棒ではない。

一部のファンからは、大金を盗むと同時に
悪事を暴く"ダークヒーロー"として認識されている。




怪盗アイリーンは後ろめたい事実を
隠している犯罪者から大金を盗む。
つまり、正義が織り交じった犯罪を犯すのだ。

01→←平成のアイリーン・アドラー



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てな(プロフ) - 華花。さん» 嬉しみ深いお言葉感謝です…!!ふりゃさんの複雑な心境をなんとか表現していきたいです(願望) (2019年2月15日 22時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 御影さん» ああありがとうございます…ようやく旅行から帰れたので更新進めて行きたいと思っております! (2019年2月15日 22時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - てなさんの作品大好きすぎてもうてなさん無しでは生きられない体になってしまってます(キモい)これから2人がどうなっていくのか…楽しみにしています! (2019年2月11日 23時) (レス) id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)
御影(プロフ) - な、泣ける……。゜(´∩ω∩`)゜。先が気になるがとりあえず今日は寝ます。 (2019年2月10日 22時) (レス) id: 0f64e64eef (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - シャラさん» コメント誠にありがとうございます!過去の作品まで見てもらえて感謝感激でこざいます…(*゚▽゚)かっこよい零くんを書くのが至福です!更新まったり頑張らせていただきます!! (2019年2月4日 0時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てな | 作成日時:2019年2月1日 22時

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