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今日の私にとっての彼 ページ8



you side




「……もしもし、九条です」

「え、Aちゃん!?」




どうしたのこんな時間に…!と
戸惑いながらも電話に出てくれた有希子さんに、
「聞きたいことがあるんです」といまだ
使い慣れないスマートフォンを耳に押し当てた。





「………安室透という方は、いい人ですか?」

「………」




毛利小五郎の事務所に赴き、
安室透が弟子入りした時のことを
詳しく聞かせてもらった。

ついでに彼の性格や推理の仕方等も。


どう考えたって毛利小五郎の推理は
的外れなモノだったり、更には推理をしている
最中のことはよく覚えていないとまで言っていた。




(鋭い洞察力、推理力に長ける安室透が
何故偽物の笑顔を作り、自分よりも劣る存在の
毛利小五郎に弟子入りをしたのか…)



毛利小五郎がトイレに行っている間、
少々パソコンを弄らせてもらったところ、
ハッキングの僅かな痕跡が残っていた。

彼と関係あるかは不明だが、
やましいデータも入っていないのに…と
首を傾げた覚えがある。








「Aちゃんは、
安室透さんのことがよっぽど気になるのね」

「…………は、……はい?」

「それはなんでなの?」






「………太腿に、彼の名前が残されていたから」








あの人は、一体誰なのか。

一日で記憶を失う私が、何故
あの人の名前だけを残していったのか。





「……そういうことね。でも
Aちゃんならもう分かるんじゃない?」

「…………」

「どうしても確証が欲しい?」




黙ってしまった私に、朝聞いた時と同じ
柔らかく優しい声色が
「しょうがないわね」と耳をくすぐった。





「………今から言うことをスマートフォンに
メモして欲しいの、明日の貴方に…ね」

「……」

「彼の存在は貴方と無関係じゃない。
きっと貴方を守ってくれるから」






(……私と、無関係じゃない)








引っかかるのは、最後の記憶の断片。





「…」









.








『………ジ・エンドだ』







恐ろしく鋭い眼光に不気味に歪められた口角。

煙草の鼻をつく匂いと
霞む視界に向けられた鉄の銃口だった。

初対面ではない彼女と正体を知る彼→←安室透の身辺調査を行う彼女と彼



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ずーさん - とても面白い夢小説で、心が救われました! (2020年10月18日 21時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - *ひな*さん» ギェェェありがとうございますん!!はじめまして〜夢主ちゃんの生命力はカンストしてますので…折角だから警察学校組出したい!ってなったのでちらっと出してみました。最後まで読んでいただき感謝感激です…! (2018年8月24日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
*ひな* - …………、よがっだぁぁあ!!!、、、ゴホン。失礼しました。*ひな*です。夢主ちゃんが生きててホント良かったです。最後警察学校組が出て来たのが嬉しかったです!お疲れ様でした! (2018年8月24日 11時) (レス) id: 966379f9ef (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 怠惰猫さん» 本当はまた振り出しに戻るエンドも考えたのですが…ハピエン厨なのでやめました…ふりゃーさん幸せになってほしい!前編後編共にコメント誠にありがとうございます!とっても嬉しいです(゜▽゜) (2018年8月23日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - レイさん» 勿体ないお言葉ありがとうございます〜!!最後まで読んでいただき嬉しいです(*´▽`) (2018年8月23日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てな | 作成日時:2018年8月20日 13時

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