安室透と名乗った降谷零と彼 ページ22
…
「つくづく哀れな姫君だ。けれど…どれだけ
貴方が記憶を保ち続けようが
ここから逃げ出すことは出来ない」
そう口にしながら私の肩を抱いていた手で
背中から腰をなぞり、そして
スリットに忍ばせた指で太腿を撫でた。
(………)
ひく、と肩を揺らした私に『大丈夫』と
口だけ動かしたバーボンはそのまま
裾を捲りあげて私の目をそちらへ促す。
(……安室、……とお、る………)
ーーー油性マジックペンで書かれたその名前は、
きっと彼のモノなのだろう。
「貴方は…諦めて僕達のペットとなる道を選ぶ。
貴方は眠れば全ての記憶を失い、死ぬのだから」
非合法手段で手に入れたであろう暗号文。
彼らが求めている解読に使っていた紙を彼が手に取り
音を立てず彼が懐からボールペンを取り出した。
(………明日の午前零時、迎えに行く)
そうペンを走らせた彼に、
意図が分からず顔を上げれば。
「僕は……」と恐ろしい程に冷徹な声で、
恐ろしい程に儚げで優しい微笑みを
彼は浮かべながら続けた。
「そんなAさんが羨ましかったですよ」
(…………)
きっと、彼はこれまでに
何度も私の名前を呼んでくれたのだろう。
その度に私は忘れて、また私の名前を呼んで。
(私の、名前……)
ずっと心の奥に隠しておいた恐怖心が
ほんの少しだけ溢れそうになり、
咄嗟にバーボンの首に腕を回した。
「……私はこんな体質ごめんですね」
なんとか震えそうな声を我慢して
喉から言葉を絞り出せば、彼は
何を言うでもなく黙ったまま私の背中を撫でた。
(………優しい、手)
スリットに滑り込ませた彼の手付きは
決して厭らしい目的なんかではない事が
一瞬で分かるぐらいに、とても優しく暖かかった。
(この人を、信じたい)
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ずーさん - とても面白い夢小説で、心が救われました！ (2020年10月18日 21時) (
レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - *ひな*さん» ｷﾞｪｪｪありがとうございますん！！はじめまして〜夢主ちゃんの生命力はカンストしてますので…折角だから警察学校組出したい！ってなったのでちらっと出してみました。最後まで読んでいただき感謝感激です…！ (2018年8月24日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
*ひな* - …………、よがっだぁぁあ!!!､､､ｺﾞﾎﾝ。失礼しました。*ひな*です。夢主ちゃんが生きててホント良かったです。最後警察学校組が出て来たのが嬉しかったです！お疲れ様でした！ (2018年8月24日 11時) (レス) id: 966379f9ef (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 怠惰猫さん» 本当はまた振り出しに戻るエンドも考えたのですが…ハピエン厨なのでやめました…ふりゃーさん幸せになってほしい！前編後編共にコメント誠にありがとうございます！とっても嬉しいです(゜▽゜) (2018年8月23日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - レイさん» 勿体ないお言葉ありがとうございます〜！！最後まで読んでいただき嬉しいです(*´▽`) (2018年8月23日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てな
| 作成日時：2018年8月20日 13時
