検索窓
今日:3 hit、昨日:30 hit、合計:112,560 hit

ベレッタM1934に見覚えがある彼 ページ12





「今朝起きたらテーブルの上に
私宛のメモ用紙が置いてありました」



結局盗聴器もカメラの心配もいらない
愛車の中へ彼女を招いた。


助手席に座った彼女が鞄に手を突っ込む。
「どうぞ」と彼女が俺に手渡したメモ用紙には
『明日の私へ』とAさんの筆跡で書いてあった。

その下には箇条書きでつらつらと
何かが纏められているようだった。






「安室透のデータ…?」


「余程貴方のことが気になったのでしょう。
昨日貴方が私に言っていた台詞や
向けていた表情を事細やかに書いてあります」





"胡散臭い笑顔"
"僕にとって貴方は変わらない"
"貴方がいくら忘れようが
僕とした会話はなかったことにされない"


他にもびっしりと書かれた文章に
気恥ずかしくなりながらも、Aさんは
平然とした表情で淡々と口を開く。





「有希子さんから聞いた話だと
私がここまで明日の自分へ何かを
書き残していったのは初めてだそうです」

「……貴方は一体、僕をどうしたいんでしょうか」

「貴方に守ってもらいたいんです、私を」





………はい?と聞き返した俺にAさんが
もう一度スカートを捲って
メッセージが残された太腿を見せた。

目に毒だからやめてほしいんだが。






「有希子さんの証言、及び
沖矢昴さんと江戸川コナンくん…
そして今日の私にまで貴方の名前を
繋げてきた"私"を信じます」


「………」


「だから私は…正義のために
偽物の笑顔を作っている貴方に守って欲しい」





ーーー降谷零さん、

そう口にしたAさんに思わず目を見開いた。
沖矢昴に江戸川コナン、そして工藤有希子。
彼らは皆俺の正体を知る存在達だ。





「………私は、ある男に
頭を撃たれて記憶を失うようになりました」


「ある、男…」


「時間が経つにつれて曖昧になっていますが…

こうなる前の最後の記憶は、煙草の匂いに
鋭い目付き。そして真正面から向けられた銃口
銃は恐らくベレッタM1934」




その人間に頭を撃たれて
記憶を失うようになったようです。
…貴方ならその人間を知っているはず。





ーーー聞き覚えのある拳銃の名前に
ドクンと心臓が鼓動を打った。

いつの間にか書き残していた彼女と怯える彼→←ちょっとだけ頬を赤くした彼



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (193 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
285人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ずーさん - とても面白い夢小説で、心が救われました! (2020年10月18日 21時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - *ひな*さん» ギェェェありがとうございますん!!はじめまして〜夢主ちゃんの生命力はカンストしてますので…折角だから警察学校組出したい!ってなったのでちらっと出してみました。最後まで読んでいただき感謝感激です…! (2018年8月24日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
*ひな* - …………、よがっだぁぁあ!!!、、、ゴホン。失礼しました。*ひな*です。夢主ちゃんが生きててホント良かったです。最後警察学校組が出て来たのが嬉しかったです!お疲れ様でした! (2018年8月24日 11時) (レス) id: 966379f9ef (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 怠惰猫さん» 本当はまた振り出しに戻るエンドも考えたのですが…ハピエン厨なのでやめました…ふりゃーさん幸せになってほしい!前編後編共にコメント誠にありがとうございます!とっても嬉しいです(゜▽゜) (2018年8月23日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - レイさん» 勿体ないお言葉ありがとうございます〜!!最後まで読んでいただき嬉しいです(*´▽`) (2018年8月23日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:てな | 作成日時:2018年8月20日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。