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推理をする恐ろしい彼女 ページ18




ーーー事件発生から数時間。夕暮れの空は
すっかり黒く塗りつぶされてしまった。

ようやく事件の真実が
垣間見えそうになったところで、
彼女はいつものように淡々とこう言った。




「トリックが分かりました」

「な、なんですと!?」




目暮警部含め周りからの慌てた声に、

コナンくんが少し目を見開いてから
彼女の推理に耳を傾けるつもりなのか
「すごいAさん!教えて〜」と猫撫で声で笑う。



「君も分かったでしょ?名探偵さん」

「………え?」



ロープを手に取りながら
Aさんが小さくコナンくんに囁く。
コナンくんの猫被りは彼女に通用しないようだ。



「円城さんは波土さんと、過去に運送業者で
バイトをしていたと言っていました」



と、Aさんがロープを複雑に結び始める。

それは先程ライブが中止となったため
機材を持ち帰ると愚痴を言っていた運送業者が
解いていたロープの結び方と同じだった。


彼女に「これ、今から
私が言う通り結んでください」と言われるがまま

受け取ったロープを結び
観客席の手すりに引っ掛けていく。




「……そうか、後は三番目に作った
小さな輪の所へ戻り余ったロープを引くだけ…」

「そうです。そうすれば今パイプ椅子に座って
ロープを持ってる高木刑事を…
非力でか弱い私にだって持ち上げられます」




ぐい、とロープを引っ張った彼女により
高木刑事がパイプ椅子から浮かび上がる。




「これは滑車の原理。ロープの途中に作った
小さな輪が滑車の役目を果たし一つの輪ごとに
2倍4倍8倍の力でロープをを引くことができます」




沖矢さんは小さく「ホォー…」と
顎に手をやり彼女を見る。

俺も同様彼女を見やりながら
恐ろしい女だ、と冷や汗をかいた。


そんな内心を隠しながら
「確かにそれなら一人でも簡単に出来ますね」と
呆気に取られている一同の代わりに笑ってみせた。

気になるスマートフォンと彼女→←ベルモットと沖矢昴と彼女



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作者名:てな | 作成日時:2018年8月12日 17時

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