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まっさらな知り合ったばかりの探偵と彼女 ページ12




Furuya side


「そういえば毛利先生、
つかぬ事をお聞きしますが……
最近噂となっている美人探偵を知っていますか?」

「びっ、美人!?」



ーーー先日の事件から数日が経った。


興味がてら風見に彼女の事を調べさせてみた所
結局記憶障害になった理由も分からず
あまつさえ彼女の家族構成までよく分からない。

ただ、一つだけ分かるのは
彼女一人で探偵をやる事が
絶対に無理な話だということ。

なぜなら朝起きれば
記憶が無くなっているのだから。


つまり、九条Aにはサポート的存在がいる。


その人間が誰なのか…彼女にとって何なのか。




(……この反応は知らないみたいだな)




"美人"という単語を出せば毛利小五郎は
目の色を変えて食いついてくる。

けれど身に覚えがないらしい。


案の定色どころかハートにまで変わった目で
コチラを振り返った毛利先生に、

蘭さんが眠ると記憶がリセットされるという
最近噂の美人探偵の詳細を

今日スタジオで起こった事件について
織り交ぜていきながら一括して話してくれた。




「ほら、これホームページ…」

「どれどれ」




蘭さんと一緒にスマートフォンを覗き込む
我が師匠を見やって、この男が知るわけもないかと
一人落胆していればエプロンの端を引っ張られた。



「……コナンくん」

「安室さんもあの人のこと気になるの?」


「コナンくんもAさんが気になるのかい?
本当に男の子は綺麗なお姉さんが好きだよね」

「…」



質問に質問で返した俺に
怪訝そうな目を向けてきた
コナンくんにそう答えてから、

「そろそろ学校行く時間だよ」と
テーブルに置いてあった空の皿達を片付けた。




(気になるというか、……ただ単純に興味が湧くだろ)




テレビでイレギュラーな人間の特集をする、
いわば某アンビリバボーの類の番組。

それを見ると自然に
その人物に興味を抱くのと同じだろう。



恐らく彼女の記憶から、俺という
小さな存在はもうとっくに忘れられている。




「不思議なものだな……」




彼女にとって俺は、違法組織の幹部でも
ましてや公安警察でもない。




たったさっき知り合った探偵見習いとして
見られること"しか"有り得ないのだ。

忘れられた自分と紅茶を飲む彼女→←徹夜気味の怪しい彼と彼女



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作者名:てな | 作成日時:2018年8月12日 17時

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