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徹夜気味の怪しい彼と彼女 ページ11



you side



「ーーー小暮瑠海さん、貴方ですよ」



ようやっと犯人を特定出来たようだ。
コナンくんと世良真純さん、そして安室透さん。

彼等の推理も刑事に比べれば
断然いい線を行っている。

特にこのメンツでトップミニサイズの
江戸川コナンくんは、まるで
大人の頭脳を持った子供のよう。



(安室透は私立探偵。世良真純は高校生兼探偵、
この子は眠りの小五郎の家に居候してる…らしい)



さっき高木刑事という
優しそうな刑事さんに聞いた。

眠りの小五郎なんて聞いたこともなかったが、

どうやら眠ったように目を閉じて座りながら
名推理を披露する特殊な探偵として
私の知らない間に随分と有名になったようだ。




(……もうすぐ、帰れそうね)




妙に突き刺さる彼からの視線に、
わざと気付いていないフリをして
自分も彼等の推理に耳を傾けていた。




......................................................





「一番最初に犯人が分かったのは
Aさんですよね?」




どうして推理を言おうとしなかったんですか?と
依頼主である鈴木園子さんから
依頼料を現金で受け取って、

いざ帰ろうとした時にそう引き留められた。




「まるで僕達に犯人が分かるよう
ヒントを与える素振りまで……」


「単なる興味です。特に、妙に賢い小学生と
……徹夜気味である貴方の実力が気になったので」




ひく、と安室さんの眉が動いた。

目に見えて分かる、「なぜ分かった」の表情は
決して喫茶店のバイトをしてる
善良な私立探偵のモノとは思えない、

それほどまで切迫されていたのだ。




「……僕は貴方に
徹夜だなんて一言も言ってませんよ」


「貴方を見てれば分かります。

仕草、呼吸のリズム、ガムの匂い、
一瞬だけ遅れた反応に…
コンシーラーと地肌の微妙な色差」




極めつけは、口角と目を
細めるだけの上っ面の笑顔です。と彼に伝えれば

安室さんは少し驚いたような顔をして
「驚いたな、」と小さく零した。





「そんなに見てたんですか?僕のこと」


「………貴方も上手いですね、はぐらかし方」





では、と一応頭を軽く下げて、腕にかけていた
コートを羽織りスタジオを後にした。

外はもうすっかり暗く空には星が見える。






(九条Aの一日は、こう終わっていく)







きっとこのつまらないようで刺激のある日常は、


最後の記憶の断片から…数年続いているのだろう。

まっさらな知り合ったばかりの探偵と彼女→←安室探偵に名前呼びされる彼女



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作者名:てな | 作成日時:2018年8月12日 17時

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