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番外編 2 ページ36




「公安は今日も忙しなく働いてるというのに…
FBIは随分と暇なんだな」

「限られた人物のみよ、アメリカの警察が
全員パーティに出てるわけないでしょ」



FBI本部からホテルの駐車場へ
いつも通り口喧嘩をしながらだったが到着した。

恋人になったというのにこの女は可愛げのない…
というか最近更にふてぶてしさが増した気がする。




「ちょっと、何その目は」

「……お前は付き合う前の方が可愛かったな」

「なんですって」




今すぐこのフロントガラスを
叩き割ってもいいのよ、と脅してくる彼女。

多分彼女が本気で割ろうと思えば割れる。
それはもうパリーンと。




「……」


「………ねえ、降りたいんだけど」




ぴこん、と浮かんだ作戦に彼女の手首を掴んで
車を降りようとするAを強引に引き止める。


久しぶりに可愛いところが見たい。





「キスして、くれたらいい」

「は?」

「パーティ一緒に行くよ」




即答で返ってきた容赦ない引き顔に苦笑しつつ、「だから、お前からキスしてくれないか?」と
彼女の薄く開いた唇を指で撫でた。




「………なに、急に」

「恋人にキスをねだるのは普通だろ?」

「私の零くんはそんなこと言わないわよ」

「素敵な呼び方をしてくれるんだな」





私の零くんという言葉に思わず
胸がキュンと疼きながらも、
テンポよくAとの会話は進む。

ああ言えばこう言う代表彼女でも、
さすがに戸惑っているようだ。


思えば俺は、一度たりともこういう甘い雰囲気で
彼女に甘えたことはなかった。




「簡単だろ?お前からキスすれば
行ってやると言ってるんだ」

「あら、…それは随分と…簡単ね」



そう言ってるくせに、分かってるくせに。
彼女は一向に動こうとも
俺の手を振り払おうともしない。

ついでに言えば徐々に赤くなってく耳も
初々しそうでとても気分がいい。そうとても。





「……A」


「…」





「ほんとに行ってくれるのね、」と
おずおず俺に言ってきたAに、
仕方なくイエスの返事を出してやれば

彼女はようやく俺の頬に白い手を添えてきた。

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休校 - 半端じゃなく、面白かったです!笑 ありがとうございました! (2020年6月21日 17時) (レス) id: e4ab2b5df5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - こんな素晴らしい作品を作ってくださって感謝しかないです…!ストーリー構成が完璧で、赤井さんのシスコン具合も最高だし、なにより、主人公のキャラが好きです…!!!大好きです!ほんとにありがとうございます!! (2019年12月18日 20時) (レス) id: 7131cab108 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 四皇子さん» ありがたきお言葉…大感謝感激祭です… (2019年2月4日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - たんぽぽ珈琲さん» わー嬉しいです!!気に入っていた作品なのでありがたいです〜(*゚▽゚) (2019年2月4日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
四皇子 - 500評価から501評価にしてしまった、罪悪感、、 (2019年1月31日 16時) (レス) id: 3e09273f36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てな | 作成日時:2018年7月8日 14時

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