第十五話 ページ15
…
「っ安室さん！しっかりして…！！」
「、…ぐ、……！……掠っただけだよ。
それより、アイツらが逃げてしまう前に…！！」
咄嗟に俺を抱き抱え避難した安室さんの足には、
薄らと赤いシミが出来ている。
俺はシューズのスイッチを入れ
犯人らの頭目掛けてボールを力一杯蹴り飛ばした。
幸いにも二人の頭にそれぞれ跳ね返ったボールが
直撃したようで、仲良く気絶してくれたようだ。
「……、ぎりぎり歩ける、か…迂闊だったな。…」
「………ごめん、安室さん。僕があの時…」
くしゃ、と俺の頭を撫でて
「気にしなくていいよ。
子供を守るのが大人の役目さ」と
柔く微笑んだ安室さんに安堵の笑顔が漏れた。
「＿＿＿…よぉ名探偵。また会ったな」
不意に、月明かりで照らされた
ガラス張りの廊下の向こうから、
聞き覚えのある自身と似た声が耳に届いた。
安室さんはその姿を視界に入れると、
公安の降谷零として拳銃に手をかけた。
「……どーいうことだよ？その抱えてるお荷物は」
「んな怖い顔するなって…大事な大事なお姫様が
どうなってもいいのかよ？」
余裕綽々と笑みを浮かべている
キッドの腕の中には、
いつかのようにすやすやと眠っているAさんが
大切に抱えられていた。
隣で拳銃を構える安室さんは
「あの馬鹿…」とでも言うとばかり思っていたが、
依然としてキッドとAさんに向けた銃口を
下ろそうとはしなかった。
「こうして会うのは、
ベルツリー急行以来でしょうか……、
この美しいお嬢さんを貴方に渡すのは
いささか気が向きませんが、
……どうでしょう？サンライズと引き換えに
彼女を貴方の元へお返ししますよ」
「……ホー、僕が本物のサンライズを持っていると
見破ったんですか、噂通り賢いこそ泥のようだ」
今回の警備は二重作戦で、
警備員達にはバトン方式で渡していく
と伝えられてはいるが、
実際には本物を事前に
Aさんが安室さんに渡しておいたそうだ。
(この二人の信頼関係は絶対だからな、……)
お互いがお互いの弱みを握り続けている、
そんな関係性だからこそ成り立つ今回の作戦は
プロ詐欺師であったAさんの立案であった。
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休校 - 半端じゃなく、面白かったです！笑 ありがとうございました！ (2020年6月21日 17時) (
レス) id: e4ab2b5df5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - こんな素晴らしい作品を作ってくださって感謝しかないです…！ストーリー構成が完璧で、赤井さんのシスコン具合も最高だし、なにより、主人公のキャラが好きです…！！！大好きです！ほんとにありがとうございます！！ (2019年12月18日 20時) (レス) id: 7131cab108 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 四皇子さん» ありがたきお言葉…大感謝感激祭です… (2019年2月4日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - たんぽぽ珈琲さん» わー嬉しいです！！気に入っていた作品なのでありがたいです〜(*ﾟ▽ﾟ) (2019年2月4日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
四皇子 - 500評価から５０１評価にしてしまった、罪悪感、、 (2019年1月31日 16時) (レス) id: 3e09273f36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てな
| 作成日時：2018年7月8日 14時
