第二十話 ページ20
…
furuya side
「おはようA、…」
「風見、報告書」
「A、この書類………」
「風見、これコピー」
A、と今日で三度目だが呼びかけてみるも
返ってきたのは仮眠室が勢いよくバタン!!と
閉じる音だけであった。
しん……、と静まった部屋では
やっと書類があらかた片付いたのか
風見が帰る準備をしながら「降谷さん……」と
俺を見ていた。
(…………まあ、驚くよな)
少し急ぎすぎたのかもしれない。
登庁してきた俺に挨拶もせず風見の元へ行っては、
書類を渡す俺を無視して風見の元へ行く。
遂には仮眠室へと籠城を決め込みやがった。
けれど、今まで散々キスやらを済ましたというのに
あの態度は一体なんなんだ?
まるであれじゃあ、好意を直に伝えてくる俺に
怯えているかのようだ。
(………調査してみるか、)
彼女の恋の仕方、今までの恋人等を
調査するにあたって、
一番手っ取り早いのは彼女の血縁者だ。
赤井は恐らくAにこっぴどく叱られ
口止めでもされているだろう。
秀吉さんとメアリーさんは忙しそうで、
連絡がとりにくい。
(…………なら)
......................................................
「A姉の彼氏?歴代の?」
「うん、どんな人だったとか…」
う〜ん、と悩む世良真純を横目に
ぎこちなく照れ笑いをしてみせた。
「安室さんまさか……」とコチラを凝視する
コナン君を視界の隅に置いておき、
「そうだなあ、」と顔を上げた真純さんを見た。
「___A姉、彼氏いたことないんだよ」
「「…………え!!?」」
口を揃えて驚愕した俺とコナン君に
真純さんが少したじろぐ、も
「だってさ〜」と続ける。
「秀兄が男と2人で歩いてたA姉を見たって
言ってた時もあったけど、
結局友達止まりだったみたいでさ………
A姉と相手は両片想いだったのに
やんわりとA姉が関係を無くしたんだよね」
「なんで付き合わないの?って聞いてみたんだ」
「___…分からない、って言ってたよ」
偽りの恋人役を長年続けては解消していた彼女は、
いつしか本当の恋の仕方を忘れてしまっていた。
2705人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
休校 - 半端じゃなく、面白かったです!笑 ありがとうございました! (2020年6月21日 17時) (レス) id: e4ab2b5df5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - こんな素晴らしい作品を作ってくださって感謝しかないです…!ストーリー構成が完璧で、赤井さんのシスコン具合も最高だし、なにより、主人公のキャラが好きです…!!!大好きです!ほんとにありがとうございます!! (2019年12月18日 20時) (レス) id: 7131cab108 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 四皇子さん» ありがたきお言葉…大感謝感激祭です… (2019年2月4日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - たんぽぽ珈琲さん» わー嬉しいです!!気に入っていた作品なのでありがたいです〜(*゚▽゚) (2019年2月4日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
四皇子 - 500評価から501評価にしてしまった、罪悪感、、 (2019年1月31日 16時) (レス) id: 3e09273f36 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:てな | 作成日時:2018年7月8日 14時