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…
furuya side
「あれ?…安室さん
そのマフラー暖かそうでいいですね!」
「…はい、すごい着心地よくて…」
いいな〜と微笑む梓さんに同じく頬が緩む。
なんていったって愛してやまない彼女から貰った
数十年ぶりの誕生日プレゼントなのだから。
(………しかも、しかもだ…)
無事Aがいつも通り
俺を邪険に扱うようになったあの日、
ついにAをデートに誘うことに成功したのだ。
確かAが好きな女優が出ている映画が
近日公開なのを随分前に知った俺は、
やっとのこと泣き止んでくれた
彼女の両手を掴んだ。
そしてなるべくスマートに、クールに、
一緒に観に行こう、と誘った。
緊張しすぎて何もかも台詞は覚えていないが。
多分噛んだ。
そんな俺を、泣いて赤くなった目尻を下げ
綺麗に口角を持ち上げながらAが見上げた。
『………いいよ』
特別に、と続けたAが
自然と零した微笑みは、自分が大好きだった
あの時の花のような笑顔と酷似していて、
感極まり思わず彼女の前で
『…あ゛ー……好きだ……』と情けなく
呟いてしまった程に、それはもう可愛かった。
なにより警視庁の刑事共に向けられる
偽物の笑顔なんかじゃなく、
俺が惚れた正真正銘の笑顔を見れたことが
本当に嬉しかった。
多分機嫌が良かったとかだと思う。
数十年ぶりの誕生日プレゼントの
おまけのようなものだと思う。
だがしかし、ようやく
ここまで漕ぎ着けることが、ようやく出来た。
「長かった………、…」
「……おいボウズ、…安室君…
さっきからずっと一人で喋ってんぞ」
「ははは、……」
カウンターの向こうでは毛利先生が
不審な目をコチラに向けてきたり、
コナンくんは悟ったのか(惚気てんじゃねぇ)と
無言の笑みを貼り付けていたりと散々だが、
そんなことはどうだっていい。
Aの傍にいられるための
長い長い道のりのスタート地点に
今やっと、立てることが出来たのだから。
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てな(プロフ) - あるさん» 返信大変遅くなりすびばせん!!!!!某ヒロア…からお借りしました(小声)大変嬉しい限りです!ありがとうございます〜(゜▽゜) (2019年1月19日 1時) (レス) id: 148a377828 (このIDを非表示/違反報告)
ある(プロフ) - 今絶賛読んでいる途中なのですが、とぉっっっっっても面白いです!!!ピザーラ銀座店です。の所、どこかのヒーローアニメと似てたような…あとそれの敵の反応も…あ!勘違いですね!はい← てな訳ですんごい面白いです!以上! (2018年11月17日 17時) (レス) id: 24dd2edea5 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 輪廻さん» ひぇー!キュンキュンしていただき感謝でございます…(´∇`)コメントありがとうございます!! (2018年8月11日 14時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
輪廻(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品ほんっとに好きで、完結したのが嬉しいやら寂しいやらで最終話読み終えた瞬間1から読み直しました笑何度読んでもめちゃくちゃキュンキュンしました!お疲れ様です!これからも応援してます! (2018年8月9日 21時) (レス) id: d5ec128220 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - Ha_3さん» 番外編なんとか入れたかった…最後くらいデレさせたいと頑張ってみましたw最後まで読んでいただきありがとうございます! (2018年8月9日 0時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てな | 作成日時:2018年7月29日 12時