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furuya side




「……降谷、」

「お前は本当に俺がいると
周りが見えなくなるな…」



やっと怪しげな気配に気付いたのか
Aが小さく名前を呼んできて
俺の服の端をつまんだ。

絶妙に可愛い仕草に悶絶しそうになるも
なんとか耐えつつ彼女の手を引いて
人気の多い通りまで歩く。



「変な言い方しないでくんない」

「実際合ってるだろ、………
映画に行った時もいたからな?」


俺に食ってかかってばかりで
案の定気付いてなかったようだ。

彼女は「クソ…降谷の分際で…」と
いつものように顔を歪ませていた。

通常運転のようで何処か違和感を感じる
その表情に呆れてため息をつく。



「……隠すな」


「は?」


「ストーカー、卒業してからも
やられてたんだろ?」



Aは可愛い。そして基本俺以外には
こんな冷たい態度を取ったりしないし
周りには優しいマドンナとして振舞っている。

ので、学生時代からよく彼女に付きまとう
悪質なストーカーがいた。そして
ヒロに知られたくないからとAが
撃退しようと動いた俺にストップをかけたのだ。



「………、」


「…はぁ………」



無駄な言い訳をしても仕方がないと
彼女は黙り込んでしまった。

どうやらこの人混みでは犯人も諦めがついたのか
気配は完全に消えていた。




「……ここ最近は、家に
手紙が送られてきたりで、面倒なの」



ぽつり、と俺に呟いたAは
いまだに俺の服をつまんでいる。

けれど見たこともない表情で
Aが俺を見上げていたのだ。




「………素直に助けて欲しいって
言えばいいだろ、可愛くないな」


「誰が言うか」



景光くんなら言う前に助けてくれる、と
そっぽを向いてしまったAは

どうやら自分を頼ってくれているようだ。




(………ストーカー、か…)



正面から彼女に好意を伝えようともしない奴には、
到底このゴリラ並に強い
マドンナの相手は務まらないだろう。

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てな(プロフ) - あるさん» 返信大変遅くなりすびばせん!!!!!某ヒロア…からお借りしました(小声)大変嬉しい限りです!ありがとうございます〜(゜▽゜) (2019年1月19日 1時) (レス) id: 148a377828 (このIDを非表示/違反報告)
ある(プロフ) - 今絶賛読んでいる途中なのですが、とぉっっっっっても面白いです!!!ピザーラ銀座店です。の所、どこかのヒーローアニメと似てたような…あとそれの敵の反応も…あ!勘違いですね!はい← てな訳ですんごい面白いです!以上! (2018年11月17日 17時) (レス) id: 24dd2edea5 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 輪廻さん» ひぇー!キュンキュンしていただき感謝でございます…(´∇`)コメントありがとうございます!! (2018年8月11日 14時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
輪廻(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品ほんっとに好きで、完結したのが嬉しいやら寂しいやらで最終話読み終えた瞬間1から読み直しました笑何度読んでもめちゃくちゃキュンキュンしました!お疲れ様です!これからも応援してます! (2018年8月9日 21時) (レス) id: d5ec128220 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - Ha_3さん» 番外編なんとか入れたかった…最後くらいデレさせたいと頑張ってみましたw最後まで読んでいただきありがとうございます! (2018年8月9日 0時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てな | 作成日時:2018年7月29日 12時

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