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ゼロの執行人13 ページ15

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Furuya side






「NAZUから予測落下地点が出ました…!



残り5分で、カジノタワーに落下します!!」









.






インカムから風見の声が聞こえ、






すぐに頭によぎったのは勿論


カジノタワーにいるAだった





目を見開いたコナン君は必死の形相で
蘭さんに電話をかけているようだったが、
繋がらないらしい







「(っ、…あと……5分…!!)」








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眼前に迫るモノレールを見て、
脳裏には彼女の笑顔がぼんやりと浮かんでいた









.






「また怪我してきたのね馬鹿零
…早く見せなさい、」





「仕方ないだろ、僕が行かなきゃやられていた」






仕方なくないから馬鹿って言ってるんです、と
ジト目で睨んでくる彼女は、

バルヴェニーというコードネームを
貰い受けたばかりだった



数年前


バーボンとして情報収集をしている最中

部下がほんの僅かなミスをしでかし
全てがお釈迦になったのだ



おかげで潜入がバレるわ部下は逃げるわで
最悪の事態になっていた

勿論全員完膚なきまでにぶちのめして
彼女の自宅に転がり込んだのだが



丁度彼女の家が近くにあったのもある、

銃弾がかすって肩は
燃えるように痛みを訴えていたし

至る所に擦り傷や切り傷が刻まれていた








それ以上に、ただ彼女に会いたかった




そんなことを言えば、きっとこの子は
また余計な思考を巡らせて焦るのだ



「手当頼む、」と簡潔に

彼女が怪訝そうな表情で
開けようとしたドアを掴み、

ドアを全開にして
有無を言わさぬよう微笑んでみれば






Aは俺の全身を上から下まで見て
そして泣きそうに顔を歪めたのだ



馬鹿零、と言いながら
現在進行形で包帯を
俺の肩に巻いている彼女の顔は、

少し伏せられていて髪が垂れ下がっていた







「………、…れ、……零?」




「………、…」







するり、と髪をかきわけ耳にかけてやると
彼女のグレーの瞳が俺を捉える

ひく、としたAの耳はほんのりと赤かった









「………、…なんでもないさ」









.






「(……すきだな、)」









変なことしないでください、と
小さな声で俺の目も見ず呟く彼女に




やっぱり、なんてとうの昔に
自覚した気持ちを、また自覚してしまった









.

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真白(プロフ) - 夢主ちゃん可愛い (2023年4月30日 19時) (レス) @page42 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
ミコト(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます^o^惚れましたぁぁぁ/// (2019年8月29日 13時) (レス) id: 47f303260b (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - おだんご@白石大好き♪( ´▽`)さん» わぁあありがとうございます!初のコナン小説だったので拙い所だらけでしたが…(´∇`)後日談とかもぜひ書いてみたいと思っている所です! (2018年6月3日 22時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
おだんご@白石大好き♪( ´▽`)(プロフ) - とっても面白かったです!!図々しいですが、続きがみたいです。(>人<;) (2018年6月3日 22時) (レス) id: 2611ccec3a (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - ちー@政宗最推しさん» あっー!すみませんw直してきます!楽しみにしてくれるなんて嬉しいです…!>< (2018年5月27日 21時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てな | 作成日時:2018年5月26日 15時

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