水難の、相？ 〈２〉

逃げられない ページ6

．




「やっ！！！」





男「なんで逃げるの？
やっと会えたのに」





顔を確認するが


全く知らない男の人だ




「ちょっと、離してくださいっ」


男「最近、なかなかひとりに
なってくれなかったじゃん」


「なんで、会社までっ…」


男「覚えてないの？ショックだなぁ〜
大学いっしょだったのに」




大学？



わたし大学行ってないし



ひとちがい…？？



とりあえず怖い…





「離してっ」





バッと振り払うと


やっと離れた男の人の手





男「あ、待てよ！！」





走らなきゃ


走らなきゃ





暗がりの道から大通りに出ればっ





「！？」





ズサッ


恐怖から足がもつれて転んでしまった




「ぃ、たっ」




ストッキングが破れて


血がにじむ




男「ほらぁ、そんなふうに
逃げるから…」



もぉ、だめ


逃げられない






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