【短編】ハイスペックはお断り【名探偵コナン】

埋めるもの ページ21

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『疲れた』



大きな事件が片付きやっと家に帰れる
机に突っ伏しているとカタンっと缶の置く音がした



「お疲れさん」




『まーつーだー』



同期の松田陣平




「今なら俺の奢りで居酒屋に行っても良いがどうする？」



『今すぐ行くわよ』




私は貰ったコーヒーを急いで鞄に入れた








署を出て店に向かって歩いた



「今回の山は骨が折れたな」



『ほんとよ。京都大阪神奈川とどれだけ逃げるの』




一課では後輩の佐藤と組む事が多いがやはり頼れるのはこの男


いや、私たちは隣でいることでお互いを埋めている






「最近あいつに会ったのか？」



『…会ってないわよ』



「そうか」



『何をしてるかも知らないわ』



「先入っててくれ。一服してから入る」



『中で吸えばいいじゃない』



「綺麗な肺を汚したく無いだろ？」



『そうね』



私は目的の店につくと先に入り席についた









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俺は店の前の街頭に近づき体重を預け火をつけた




「お姫さんの見張りか？」



「…」



「過保護だなお前も」



「俺は偶々ここに居ただけだ」



「あいつ寂しがってるぞ。言わねぇけど」



「…今は会えない」



「そうかよ。じゃあ俺が貰うぜ？」



チラッと見れば黒い帽子を深く被る降谷の表情は読めなかった



まったく。素直じゃない奴らだぜ




「冗談は置いといて。まぁたまには顔くらいみせてやれよ」




それまでは俺が虫を払っといてやるから




そう言われたのが最後だった








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『零？』



名前を呼ばれて我に帰った



『何ぼーっとしてるの？』



「昔を思い出してただけさ」



松田。ありがとうな


こいつの虫除けは思った以上に大変だな







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